ホームIMICライブラリMMWR抄訳2008年(Vol.57)乳児の非致死性虐待-アメリカ、2005年10月~2・・・
2008/04/04Vol. 57 / No. 13
MMWR57(13):336-339
Nonfatal Maltreatment of Infants - United States, October 2005-September 2006
アメリカにおいて小児虐待死の約19%は乳児(1歳未満)で起こり、殺人統計では致死性リスクは生後1週間が最高である可能性が示唆されている。しかし乳児における非致死性虐待のリスクは全国レベルで調査されたことがない。アメリカにおける非致死性乳児虐待の実態を調査するため、CDCと連邦ACFは2005年10月~2006年9月に収集したNational Child Abuse and Neglect Data System(NCANDS)のデータを分析した。この期間中、1歳未満の乳児91,278例が非致死性虐待を経験し、その年間発生率は23.2例/1,000人であった。このうち47,117例(51.6%)は男児で、人種/民族別では39,768例(43.6%)が白人、23,008例(25.2%)が黒人あるいはアフリカ系、17,582例(19.3%)がラテンアメリカ系、1,141例(1.3%)がアメリカンインディアン/アラスカ原住民、583例(0.6%)がアジア系であった。また91,278例中35,455例(38.8%)は生後1ヶ月以内であり、このうち29,881例(84.3%)は生後1週以内であった。生後1週以内の乳児における虐待カテゴリーは、20,472例(68.5%)がネグレクト、3,957例(13.2%)が身体的虐待であった。また生後1週以内の乳児29,881例中25,964例(86.9%)は専門家(19,486例[65.2%]:医療従事者、5,542例[18.5%]:社会福祉関係者)が小児保護サービス(CPS)機関に虐待を報告しており、生後1ヶ月以内の21,545例(60.8%)、1歳未満の29,462例(32.3%)も医療従事者による報告であった。非致死性虐待とネグレクトの病因は、NCANDSデータからは明らかにならなかった。生後1週以内の乳児における効果的な虐待予防法を開発するためには、この年齢群におけるネグレクトのより詳細な特徴を明らかにする必要がある。
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