ホームIMICライブラリMMWR抄訳2008年(Vol.57)血液透析患者における急性アレルギー反応-多州、20・・・
2008/02/08Vol. 57 / No. 5
MMWR57(5):124-126
Acute Allergic-Type Reactions Among Patients Undergoing Hemodialysis - Multiple States, 2007?2008
CDCは2007年11月19日以降、血液透析患者における急性アレルギー反応のアウトブレイクについて調査している。この報告では現在までの調査結果について述べる。CDCは2008年1月7日、Missouri Department of Health and Senior Services(MDHSS)から2007年11月19日以降にある小児病院で発生した小児透析患者におけるアレルギー反応の報告を受けた。これら患者では透析開始数分以内に顔面腫脹、頻拍、低血圧、蕁麻疹、悪心といった症状が発現した。この病院では2007年11月19日‐2008年1月15日に4例で8回の急性アレルギー反応のエピソードが確認され、これら反応はアナフィラキシーあるいはアナフィラキシー様反応と診断された。CDCはこの報告を受け、腎臓病e-mailリストと公衆衛生告知を通して全国の透析患者における同様のアレルギー反応について報告するよう要請した。その結果、2008年1月9日にある透析供給業者から、過去2週間に6州の透析施設から成人透析患者における同様の反応報告を約50件受けたという連絡があった。さらに別の透析供給業者からも、2007年12月10日に同様の反応報告を受けたという連絡があった。2008年1月9日、CDCはこの全国的なアレルギー反応発生についてFDAに報告し、共同調査を開始した。CDCは、1月30日までに報告されたエピソードのうち2007年11月19日‐2008年1月21日に12州、19の透析施設で発生した透析患者53例における65回のエピソードをアレルギー反応の確定、高可能性例とみなした。現在さらに36回の可能性例について調査中である。ほとんどの反応は透析中断やジフェンヒドラミンあるいはステロイドによる治療後消退した。MDHSSによって報告された8エピソード以外、全てのエピソードは成人で発生した。エピソード発生例に共通した因子のひとつはアクセスおよび透析回路の凝固防止のためのヘパリン投与(1,000units/mL)であり、61エピソード(94%)はBaxter Healthcare Corporationが製造した静注用ヘパリン(30mL・10mLバイアル)を使用していた。Baxter社は2008年1月17日に9種類のロットのヘパリンバイアルを自発的にリコールした。しかし、リコール製品の除去は遅れており、2008年1月21日にはリコールロットのヘパリン投与を受けた透析患者で同様の症状が発現し、さらにある心臓病医療施設はリコールロットのヘパリンを投与した心臓病患者7例でアレルギー反応が発生したと報告した。CDCは現在も症例確認作業と疫学的研究を持続中である。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.