ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)アウトリーチおよび他のコミュニティ設定における迅速・・・
2007/11/30Vol. 56 / No. 47
MMWR56(47):1233-1237
Rapid HIV Testing in Outreach and Other Community Settings - United States, 2004-2006
2003年、アメリカにおけるHIV感染者は約100万人、うち25%は感染の自覚がないと推定されており、少数人種/民族などのハイリスク症例ではこの数字はさらに大きいと考えられている。CDCは2004‐2006年、ボストン、シカゴ、デトロイト、カンザスシティ、ロサンゼルス、サンフランシスコおよびワシントンDCの計7都市において、コミュニティ活動団体(CBOs)による迅速HIV検査を実施し、HIV感染に対する患者の自覚の状況を調査した。CBOのスタッフたちがHIVハイリスク症例が集まる公園、保護施設、ホテル、クラブなどへ赴き、検査設備を整えた車や屋内の会場でカウンセリングとOra Quick(HIV-1抗体)またはOraquick(HIV-1/2)による迅速HIV検査を行った。検査は口腔液または血液を用い、検体採取から20-40分後には結果が出、陽性と判断された症例はウエスタンブロットによる確診検査を行い、HIVと確診された場合は治療を受けるようCBOsまたは地域の医療施設を介して本人へ連絡した。計23,900例(ロサンゼルス:5,536、ボストン:5,162、DC:4,586、カンザスシティ:2,985、サンフランシスコ:1,931、デトロイト:1,868、シカゴ:1,832)の検査結果が分析され、内訳は男性:14,978(63%)、女性:8,583(36%)、性転換者:164(1%)、人種は非ラテン系黒人:9,142(39%)、ラテン系:7,443(31%)、非ラテン系白人:4,882(21%)、その他:2,127(9%)であり、健康保険には半数が未加入、ホームレスは9%であった。また14,183例(66%)が複数の性交相手を有し、男性同性愛者は4,136(28%)、1年以内の静注ドラッグ使用者は1,441例(6%)であった。HIV検査歴のある症例は16,543例(70%)、うち1年以内に検査を受けた症例は9,216例(57%)であった。迅速HIV検査にて陽性と判断された症例は331例(1%)であり、うち286例(86%)が確診検査を受け、267例(93%)がHIVと確診された。この新規診断例のうち、検査結果を受け取った症例は200例(75%)であり、うち171例(86%)が治療を受けることに同意した。迅速HIV検査による診断率は高く(267/286;94%)、アウトリーチおよび他のコミュニティ設定におけるHIV感染例の検出、感染例の治療への導入に有用であると考える。
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