ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)ポリオ根絶への進歩-インド、2006年1月~200・・・
2007/11/16Vol. 56 / No. 45
MMWR56(45):1187-1191
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - India, January 2006-September 2007.
ポリオが根絶されていない国はインド、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンであり、インドでは2006年、北部のウッタルプラデシ、ビハール州にてWPV1によるアウトブレイクが報告されている。このアウトブレイクによるポリオ患者数は2002年以降最大であり、インド政府はIndia Expert Advisory Group on Polio Eradicationの勧告に基づくポリオ予防接種対策の強化を行い、患者数の劇的な減少を得た(2006年:405例、2007年1‐9月:66例)が、2007年9月、WPV3によるアウトブレイク(患者数:261)が報告された。急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスでは2006年1‐12月、2007年1‐6月における15歳未満の非ポリオAFP症例はそれぞれ10万人あたり7.35、7.83であり、ウッタルプラデシ州では15.80、15.32、ビハール州では19.00、20.97と高い。便検体回収率は2006年:82%、2007年1‐9月:85%であった。ポリオ症例はインド全体で2006年に114地域から676例、2007年1‐9月は68地域から326例報告され、2歳未満の症例がそれぞれ69%、63%を占めていた。WPV1症例は2006年:648例(ウッタルプラデシ州:581、ビハール州:61)であり、2005年(62例)に比べ激増し、2007年(10月20日時点)は66例、2006年の同時期(405例)より激減し、ウッタルプラデシ州では21例(2006年:347例)、ビハール州では33例(2006年:28例)であった。WPV3は2006年28例より2007年には261例(うちウッタルプラデシ州にて231例)と増加した。また、2006年における3回以上の経口ポリオワクチン(OPV)接種率は乳児にて68%(ウッタルプラデシ州:48%、ビハール州:44%)であり、追加予防接種活動(SIAs)は計10回[全国予防接種日(NIDs)2ラウンドを含む]、2007年は計9回実施された。インドではmOPV1、mOPV3が2005年に認可されたため、ウッタルプラデシ、ビハール両州および両州からの移民が多いグジャラート、ハリヤナ、パンジャブ州において、2006、2007年のSIAにて接種されている。また、未接種小児がいる家庭はウッタルプラデシ州西部のモラーダーバードにて2006年:12%から2007年:7%と50%減少したが、ビハール州では12‐14%で変動はない。インドにおけるポリオ根絶には今後とも政府とウッタルプラデシ、ビハール両州の協力による取り組みが重要であろう。
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