一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)65歳以上の成人における非致死的自傷行為-アメリカ・・・

MMWR抄訳

rss

2007/09/28Vol. 56 / No. 38

MMWR56(38):989-993
Nonfatal Self-Inflicted Injuries Among Adults Aged =65 Years - United States, 2005

65歳以上の成人における非致死的自傷行為-アメリカ、2005年

2005年、アメリカでは意図的な非致死的自傷行為により372,722例が病院の救急診療部(ED)で治療を受けたと推定されている。非致死的自傷行為の発生頻度は青少年や若年成人で最も高く、65歳以上の高齢者におけるこれら自傷に関する調査はあまり行われていない。しかし、アメリカにおいて高齢者は人口急増集団のひとつであり、若年成人よりも医療費がかかる可能性がある。非致死的自傷行為によりEDを受診したアメリカの65歳以上高齢者の特徴を調査するため、CDCはNational Electronic Injury Surveillance System All Injury Program(NEISS-AIP)のデータを用いて2005年のED受診者について分析した。それによると、2005年には65歳以上の成人7,105例が非致死的自傷行為のため、EDを受診したと推定され(19.3/10万人)、このうち4,956例(69.8%)は非ラテンアメリカ系白人であり、5,710例(80.4%)は自殺行動が関係していると考えられた。65歳以上の高齢者は20~34歳の成人に比べ、自殺行動によるED受診後の入院率が有意に高かった(それぞれ70.6%、42.8%)。また、自殺行動によりEDを受診した高齢者は、若年群と同様にうつ病の病歴を有している者が多かった(65歳以上:73.7%、20~34歳:63.5%、35~49歳:71.3%、50~64歳:65.3%)。高齢者の自殺行動による罹患率、死亡率を低下させるためには、地域社会の支援活動、危機介入、臨床管理を組み合わせた包括的な予防戦略が必要である。

References

  • CDC. Web-based injury statistics query and reporting system (WISQARSTM). Available at<http://www.cdc.gov/ncipc/wisqars.>
  • CDC. Nonfatal self-inflicted injuries treated in hospital emergency departments-United States, 2000. MMWR 2002;51:436-8.
  • Kessler E, Schroeder T, eds. The NEISS sample: design and implementation. Washington, DC: US Consumer Product Safety Commission; 2000.
  • US Consumer Product Safety Commission. The NEISS coding manual 2000. Washington, DC: US Consumer Product Safety Commission; 2000.
  • CDC. Recommended framework for presenting injury mortality data. MMWR 1997;46(No. RR-14).
  • CDC. A training module for coding mechanism and intent of injury for the NEISS All Injury Program. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2000.
  • US Department of Health and Human Services. Generic ICD-9-CM. Hospital version 1999. Reno, NV: Channel Publishing LTD; 1998.
  • Conwell Y. Suicide in later life: a review and recommendations for prevention. Suicide Life Threat Behav 2001;31(Suppl):32-47.
  • Corso PS, Mercy JA, Simon TR, Finkelstein EA, Miller TR. Medical costs and productivity losses due to interpersonal and self-directed violence in the United States. Am J Prev Med. In press 2007.

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ