ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)野生型ポリオウイルス伝播遮断への前進-全世界、20・・・
2007/07/13Vol. 56 / No. 27
MMWR56(27):681-685
Progress Toward Interruption of Wild Poliovirus Transmission - Worldwide, January 2006-May 2007
2006年-2007年5月において、世界的ポリオウイルス根絶は継続しているが、ポリオが風土病である国は依然4ヶ国(アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタン)である。2005年の乳児に対する経口ポリオワクチン(OPV)3回接種率は78%(2004年:81%)であり、WHOの管轄地域別では東南アジア:63%、アフリカ:69%、東地中海地域:84%、西太平洋地域:87%、欧米地域:90%以上、ポリオが風土病である4ヶ国では、パキスタン:77%、アフガニスタン:76%、インド:58%、ナイジェリア:39%であった。2006年にはOPV追加予防接種活動(SIA)が36ヶ国にて187回(NIDs:86、sNIDs:84)実施され、5歳以下の小児37,500万人に対して21.2億回分が接種され、このうち1型一価経口ポリオワクチン(mOPV1)は46%(2005年は22%)使用されていた。インドおよびパキスタンではそれぞれ17回、アフガニスタンとナイジェリアではそれぞれ12回実施された。急性弛緩性麻痺(AFP)症例は2005年62,434例から2006年68,576例と約10%増加、主にインド、ナイジェリア、アフガニスタンでの増加であった。また、便検体分析は135,000検体実施され、2006年後半の新しい検査法導入により、ウイルス確定までの時間が半分(42日から21日)に短縮することから、2008年半ばには検査率を75%以上とする目標が掲げられている。2007年5月30日現在のポリオ症例は1,997例報告され(2005年:1,979例)、ナイジェリアでは1,123例(2005年:830例)、インド:676例(2005年:66例)、パキスタン:40例(2005年:28例)、アフガニスタン:31(2005年:9例)であった。また、野生型ポリオウイルス(WPV)は再導入が確認されたアンゴラ、コンゴ共和国、エチオピア、ミャンマー、ソマリアの5ヶ国に加え、カメルーン、チャド、ネパール、ニジェールの4ヶ国にて散発的に認められている。ポリオが風土病である4ヶ国においても、その発生地域およびWPV1伝播は縮小しており、世界的ポリオ根絶は達成可能であると考えられる。
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