ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)アカントアメーバ角膜炎-複数州、2005~2007・・・
2007/06/01Vol. 56 / No. 21
MMWR56(21):532-534
AcanthamoebaKeratitis - Multiple States, 2005-2007
2006年5月、イリノイ州保健省から、過去3年間同州にある眼科センターにおけるアカントアメーバ角膜炎(AK)増加の疑いを通知されたCDCは、2007年1月全国22の眼科センターに遡及的調査を実施した。増加が広範囲に分布したことや2004年から現在まで続いていることから、2007年3月、AK症例の増加に関連する危険因子を発見するために多州で調査を実施した。この報告は、調査における最近の予備結果を要約し、Advanced Medical Optics (Santa Ana, California)Complete Moisture Plus(AMOCMP)の多目的洗浄液を使用したソフトコンタクトレンズ使用者とAKとの関連性を指摘した。CDCおよび食品医薬品局は一般の人々や医学・公衆衛生関係に注意を促し、製造者は製品の自主回収に着手した。AK感染症は稀で失明の可能性があり、一般的に上下水道、土、冷却塔、冷暖房設備等の環境で見られるアカントアメーバによって発症し、米国では推定85%がコンタクトレンズ使用者に発症している。2007年5月24日時点で、2005年1月1日以降に発症した合計138名と角膜検体からの陽性のアカントアメーバ培養物が35州およびプエルトリコの公衆衛生当局と眼科医によりCDCに報告され、州と地方の保健当局者およびCDCによって患者、眼科医、かかりつけ医の標準電話インタビューが実施された。最初に完了した46名の患者に対するインタビューのデータを使用して初期解析が実施され、培養確認患者46名の年齢中央値は40歳(15~77歳)、6名(13%)は18歳未満、27名(59%)は女性であった。臨床データが入手可能であった37名のうち、9名(24%)は薬物療法が不成功で、角膜移植が必要か望ましいとされた。46名の患者のうち、39名(85%)はソフトコンタクトレンズ、3名(7%)はハードレンズを使用、4名(9%)はコンタクトレンズを使用していなかった。ソフトコンタクトレンズ使用者39名のうち、36名は複数の特定洗浄液を使用し、そのうち21名(58%)は症状発症前1ヵ月間にAMOCMPを使用し、20名は主要洗浄液として、また14名は唯一の洗浄液として使用したと報告した。最初の分析結果は予備的であるが、AMOCMP使用はAKに対する危険性を増加させることを示唆し、ソフトレンズ装着かつAMOCMP使用者はレンズや洗浄液およびその容器を全て廃棄し、眼痛、発赤、かすみ眼、光への過敏性、眼の異物感、過度の流涙など眼の感染徴候を発現した際は医療提供者を受診することが必要である。
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