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MMWR抄訳

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2007/05/04Vol. 56 / No. 17

MMWR56(17): 417-419
Vulvar Vaccinia Infection After Sexual Contact with a Military Smallpox Vaccinee - Alaska, 2006

軍の天然痘ワクチン接種者と性的接触後における外陰部ワクシニア感染-アラスカ州、2006年

2006年10月、健康な女性が10日前に初めて経験した膣内裂傷痛が増したため、アラスカ州の公衆衛生診療所を受疹した。患者は、2006年9月~10月に新しい男性の性パートナーがいたことを報告した。女性の陰唇病変からのウイルス標本は、2007年1月、CDCにワクチン株ワクシニアウイルスと同定された。この女性にさらに詳しいインタビューを実施し、新しい性パートナーは地域の米軍基地に駐屯する男性兵士であることが判明し、兵士は女性との接触を始める3日前に天然痘予防接種を受けていたことが確認された。この報告は、女性の臨床的評価および分離株を同定するために実施された臨床検査について述べている。医療提供者は、天然痘ワクチン接種者と最近接触した臨床的に適合する性器病変患者におけるワクシニア感染の可能性に注意を払う必要がある。女性は、膣性交時にコンドームが破損したが、パートナーに陰茎潰瘍や異常な皮膚病変はなく、また女性にも生殖器潰瘍や性感染病歴はなく、この膣内裂傷は性的暴行や暴力によるものではないと述べた。女性は約3ヶ月前にヒト免疫不全ウイルスの検査で陰性と報告されており、発熱、痒み、排尿障害はなかった。臨床検査で小陰唇に二つの潰瘍、軽度の陰唇赤斑、硬化、膣分泌物が見られた。鼠径リンパ節症は認められず、頸部、子宮、付属器、肛門の検査は正常、淋病、クラミジア・トラコマティス感染は陰性であった。女性は一次診断で性感染症と診断されたが、ウイルス培養結果を待つ間治療はなされず、二次診断で外陰膣カンジダ症と診断された。市販薬で治療したが、症状悪化で再診し、医療提供者は蜂巣炎と診断し、市販薬を停止して経口セファレキシン7日間コースで処方された。患者の小陰赤化,硬化、痛みは治まり、潰瘍は完治した。

References

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