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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)出産可能年齢の女性における鉛曝露-米国、2004年

MMWR抄訳

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2007/04/27Vol. 56 / No. 16

MMWR56(16):397-400
Lead Exposure Among Females of Childbearing Age - United States, 2004

出産可能年齢の女性における鉛曝露-米国、2004年

何世紀もの間、高濃度の鉛曝露は健康被害をもたらすことが知られ、中度と低度の血中鉛濃度による健康への有害事象に関する証拠が増加している。公衆衛生当局は、非妊娠女性における懸念される血中鉛濃度(BLLs)を定義するために、小児(10µg/dL以上)よりは高水準(25µg/dL以上)を使用しているが、妊娠女性にはより低水準(5µg/dL以上)を使用している。BLLsが5µg/dL以上の非妊娠女性の中には、将来妊娠して乳児の健康を有害事象の危険にさらす可能性があるとの認識から、非妊娠女性と妊娠女性における水準の違いが懸念されている。鉛は胎盤に邪魔されることなく通過するので、母親と胎児のBLLsはほとんど同じである。この報告は、CDCのAdult Blood Lead Epidemiology and Surveillance(ABLES)計画に参加する37州の出産可能年齢(16~44歳)の女性における2004年高BLLsに関するサーベイランスデータを要約している。結果によると、高BLLsの割合は、BLLs40µg/dL以上で出産可能年齢の女性10万人につき0.06から、BLLs5µg/dL以上の女性10万人につき10.9までの範囲であった。子孫への神経行動学的認知障害を防ぐために、出産可能年齢の女性における鉛曝露の第一次、第二次の予防が必要である。ABLESは、職場監視プログラムを通じて、あるいは鉛曝露の臨床上の疑いから、検査を受けた16歳以上の人のBLLsを追跡しており、BLLsは職業上、非職業上の両暴露についても報告されている。Occupational Safety and Health Administration(OSHA)は、空中鉛が特定水準を超える地域で働く全員のBLLs検査を義務付け、ABLESの参加州は全研究所にBLL結果を報告するよう求めている。出産可能年齢の女性における高BLLs罹患率を評価するために、2004年のABLESデータは、1)Association of Occupational and Environmental Clinicsが妊娠女性への介入を推奨する水準である5µg/dL以上、2)CDCが小児への介入を推奨する水準である10µg/dL以上、3)成人の高BLLsを排除するために、公衆衛生目標のHealthy People 2010に設定された限度である25µg/dL、4)鉛中毒によって医学的理由で仕事から離れた後にOSHAが仕事への復帰を許可する限度である40µg/dL以下、の4つの異なるBLLsで分析された。2004年、ABLESの10州で16~44歳の女性の合計10,527人が検査を受けて全BLLsが報告されたが、うち1,370人(13.0%)はBLLsが5µg/dL以上(10万人につき10.9)、476人は10µg/dL以上(10万人につき3.8)であった。BLLsが5µg/dL以上の女性1,370人のうち442人(32.3%)は職業上の曝露であった。ABLESの全37州で検査を受けた16~44歳の女性の合計数は不明であるが、検査を受けた女性の10万人につき0.7はBLLsが25µg/dL以上で、0.08は40µg/dL以上であった。

References

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