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MMWR抄訳

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2007/04/20Vol. 56 / No. 15

MMWR56(15):362-365
Human Rabies - Indiana and California, 2006

ヒト狂犬病-インディアナ州およびカリフォルニア州、2006年

狂犬病は急性進行性脳炎を引き起こすウイルス性感染症であり、一般的に致死性であると考えられている。しかし、2004年にウィスコンシン州で、曝露前接種や曝露後予防(PEP)を受けていないワクチン未接種患者が新しい治療を受け、記録された最初の狂犬病生存者となった。これは将来の介入が成功するかもしれない可能性を示唆している。この報告は、ウィスコンシン州の患者と同様に、治療されたが不成功であった最近の狂犬病患者の2症例について、また、インディアナ州保健省(ISDH)、カリフォルニア州保健省(CDHS)、CDCおよびインディアナ州マーシャルカウンティ、カリフォルニア州のサンホアキン郡とアラメダ郡における地元保健所の対応による同時疫学調査について述べている。結果は、狂犬病の迅速なPEPと適時な診断を確実にするために、特に治療が行なわれる場合には、狂犬病曝露の可能性をより一層臨床的に認識する継続的な必要性を強調している。インディアナ州の症例によると、2006年9月、10歳の女児に右腕痛と胴、四肢の発疹が認められ、嘔吐し、X線で腕と鎖骨は正常であったが右腕痛が増幅して時々腕は無感覚、初期症状発症3~5日後に言語不明瞭、食欲不振、咽頭痛、発熱を呈し、地元の病院に入院し、舌炎の可能性と粘膜カンジダ症で処方された。大学付属小児専門病院で髄膜脳炎の診断により治療されたが、患者はコウモリに引掻かれたか噛まれたことを示唆した。CDCにおける狂犬病ウイルス特定血清抗体検査結果は陽性、狂犬病ウイルス抗原を検知した。患者は狂犬病ワクチンあるいは狂犬病PEPを受けていなかった。狂犬病確認の後、ウィスコンシン狂犬病治療プロトコールが実施されたが、複数合併症で患者は入院26日後に死亡した。カリフォルニア州の症例では、2006年11月に11歳の少年が咽喉の渇き、疲労、発熱を呈し、翌日夜、胸部圧迫感、嚥下障害、不眠症で救急診療部(ED)に搬送され、狂犬病関連症状を呈したために小児専門病院に転送された。その後小児集中治療室(PICU)に入院、ウィスコンシン狂犬病治療プロトコールによる処方を受け、サンプルからは狂犬病抗原が検知された。この結果を受けて、医師はCDHS、CDC、ウィスコンシン・プロトコール療法を展開する医師等と相談し、静注リバビリン、腸内アマンチジン、テトラヒドロビオプテリン、補酵素Q10を投与した。患者の兄弟は、患者がフィリピンに住んでいた約2年前に犬に噛まれたことを思い出した。患者はその時狂犬病PEPを受けておらず、複数合併症の後に入院27日後に死亡した。

References

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