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MMWR抄訳

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2007/03/30Vol. 56 / No. 12

MMWR56(12):276-277
Update: Chikungunya Fever Diagnosed Among International Travelers - United States, 2006

最新情報:海外渡航者に診断されたチクングンヤ熱-米国、2006年

チクングンヤウイルス(CHIKV)は熱帯アフリカとアジア固有の蚊を媒介とするアルファウイルスであり、発熱、関節痛、時には関節炎に特徴づけられる急性疾病の風土性、感染性チクングンヤ(CHIK)熱を引き起こし、通常結膜炎や発疹を伴う。CHIKV感染症の症状は通常数日から数週間持続するが、関節の症状および徴候は通常数ヵ月、時には1年以上持続し、CHIKV感染症による死亡は稀である。CHIKV感染症に対する特定の抗ウイルス薬は存在せず、治療は関節症状に対する鎮痛薬と抗炎症薬を含む対症療法から成る。2005~2006年、インド洋諸島およびインドにCHIK熱が流行し、主に南インドで臨床的に疑わしい症例が多数発生した。CDCは、2005年から2006年9月末までに米国で診断された12件の輸入CHIK熱症例を過去に報告し、この中の11症例は2006年に発症している。2006年に発症した26の追加輸入症例に関する今回の報告は、これらの渡航者における症例を認識する重要性を強調し、医療提供者には、最近CHIKV感染地域から帰国して発熱や関節痛を持つ渡航者にCHIKV感染症を疑うよう勧告している。急性期および回復期の血清標本は、州保健省を通じて検査のためにCDCに提出され、公衆衛生当局および医療提供者は、CHIKVの媒介蚊が広く生息する米国地域における風土性CHIKV感染の可能性に注意を払うよう勧告されている。2006年、米国におけるCHIKV診断検査は、州保健省間の協定によりCDCで可能であり、2006年に発症した米国渡航者および過去の報告症例を含んだ合計37件のCHIK熱症例を確認した。CHIKVは、これらの患者のうち5名の血液から分離された。患者は、17州(南部4州、北東部4州、中西部5州、西部4州)およびコロンビア特別区からで、年齢中央値は49歳(範囲:22~78歳)、54%は女性であった。37症例のうち25症例(68%)は、2006年6月~10月に発症し、32名(86%)は米国渡航以前に最もよく訪れた国はインドであることを報告し、その他3名はスリランカ、各1名はジンバブエとインド洋レユニオン島の訪問を報告した。2006年、米国に帰国した7名の追加渡航者は、CHIKV抗体検査陽性であった。

References

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