ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)3ヵ所の孵化場の初生ヒナによるサルモネラ中毒症のア・・・
2007/03/30Vol. 56 / No. 12
MMWR56(12):273-276
Three Outbreaks of Salmonellosis Associated with Baby Poultry from Three Hatcheries - United States, 2006
2006年、州保健省は、農業用飼料店で購入したニワトリおよびその他の初生ヒナ(アヒル、ガチョウ、七面鳥)に接触した人に発生した3件のサルモネラ種感染症のアウトブレイクをCDCに報告した。飼料店は孵化場から家禽を入手しており、3件のアウトブレイクは各孵化場に端を発した。数十年間、初生ヒナ、特にニワトリとアヒルはサルモネラ中毒症の感染源として知られ、最近はサルモネラ中毒症アウトブレイクの出所を個々の孵化場まで遡るようになった。初生ヒナ購入者の多くは、これらの鳥類との接触が、鳥類に曝露された人、特に小児や免疫力のない人をサルモネラ中毒症の危険にさらしていることに依然として気付いていない。この報告は、3件のアウトブレイクについて述べ、鳥類からヒトへのサルモネラ菌感染を防ぐ勧告を行っている。A孵化場については、2006年5月、Michigan Department of Community Healthの公衆衛生研究所が、検査結果の定期調査中にサルモネラ血清型4,5,12,i:-に対して培養陽性である症例集団を検知し、4月~7月、ミシガン州の患者から得られた合計21件の臨床サンプルからアウトブレイク菌株を分離した。21名の全患者が下痢、6名(29%)が出血性下痢を、12名(57%)が嘔吐を報告し、7名(33%)が入院した(中央値4日、範囲:1~9日)。12名の患者は発症前7日間で初生ヒナ曝露を報告し、うち8名(67%)に対する初生ヒナの孵化場が同定された。2名はミシガン州のA孵化場から直接に、6名はA孵化場から鳥類を入手した5軒の飼料店から鳥類を購入していた。B孵化場については、2006年5月、ネブラスカ州のHealth and Human Services Systemは、同じ託児所に通っていた2人の幼児における便培養確認サルモネラ中毒症の報告を受け、追加インタビューで10名の下痢、3名の出血性下痢を検知したが、入院患者はなかった。追加便サンプルと共に、合計4件の陽性便サンプル全てにサルモネラ血清型Montevideo分離株を検出した。4月~6月、州の公衆衛生研究所は、21州から合計56名の患者(ネブラスカ州託児所の患者を含む)に全国Pulse Net Databaseでサルモネラ血清型Montevideoと同一菌株を確認した。インタビューを受けた48名は全員回復したが、42名は発症前5日間に初生ヒナに曝露したことを報告した。42名の患者のうち9名(21%)に対して初生ヒナの孵化場が同定され、7名についてはニューメキシコ州のB孵化場から鳥類を入手した3軒の飼料店から初生ヒナを購入した。C孵化場については、2006年3月~5月、オレゴン州の公衆衛生研究所は、サルモネラ血清型Ohio分離株を持つ4名の患者を確認した。4名の患者は発症前に初生ヒナ曝露を報告し、うち3名は1軒の農業用飼料店からニワトリを購入し、その出所は隣のワシントン州にあるC孵化場と同定された。
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