一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)淋病の増加-西部8州、2000~2005年

MMWR抄訳

rss

2007/03/16Vol. 56 / No. 10

MMWR56(10):222-225
Increases in Gonorrhea - Eight Western States, 2000-2005

淋病の増加-西部8州、2000~2005年

淋菌による感染症は、米国で2番目に一般的に報告される法定伝染病であり、淋病は骨盤内炎症性疾患、不妊、子宮外妊娠、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染や伝播に対する危険性を増大させる。全国的には、報告された淋病罹患率は1996年から減少あるいは安定していたが、2005年に1999年以来始めて増加した(10万人につき115.6症例)。最近10年間、西部の州の淋病率はその他の米国地域と比較して低かったが、2000~2005年には10万人につき57.2例から81.5例へ42%増加、一方この期間における米国のその他3地域での割合は減少した(南部:-22%、北東部:-16%、中西部:-5%)。この報告は、2000~2005年に淋病罹患率の大幅な増加を報告した西部8州における淋病の疫学について述べ、年齢別、全年齢層別、人種・民族別で淋病率の増加を指摘している。増加の原因は依然不明であるが、データによると原因は実施検査数の増加、実施検査タイプの傾向、および実際に淋病発生が増加していることなどの組み合わせによる可能性を示唆している。CDCは、これらの増加についてさらに調査し対応するために、州や地域の保健局と連携し、公衆衛生当局は各地域の淋病増加の初期徴候に引続き注意を払う必要がある。分析は、2000~2005年に淋病率25%以上の増加、2005年に500以上の淋病症例を報告した米国の州に焦点を当てた。8州(アラスカ、カリフォルニア、ハワイ、ネバダ、ニューメキシコ、オレゴン、ユタ、ワシントン)がこれらの基準に該当し、全州が西部であった。データはまた、ロサンゼルス、サンフランシスコの西部2都市についても調査された。西部8州の総淋病率は、2000年の10万人につき56.3症例から2005年の85.6症例まで52.0%増加した。最大増(195.1%)はユタ州から報告され、2000年の10.3症例から2005年の30.4症例まで増加した。次に高い増加率はハワイ州(103.8%)で、その他3州(アラスカ、カリフォルニア、ネバダ)は50%以上増加した。8州における淋病の増加は、性別、全年齢層別、全人種・民族別で観察された。男性の淋病率は、2000年の10万人につき64.3症例から2005年の94.5症例まで46.7%増加し、女性では2000年の52.3症例から2005年の82.9症例まで58.5%増加した。全年齢層別では43%から64%までの範囲で大幅な増加が見られ、20~29歳において最大増加率であった。2005年の最高淋病率は黒人(10万人につき537.6症例)に報告されたが、2000~2005年の黒人間の増加(17.5%)は白人およびヒスパニック間より低かった。2005年の白人の淋病率は50.4症例で2000年から77.5%増加し、またヒスパニックでは91.1症例で2000年から80.8%増加した。

References

  • CDC. Final 2005 reports of notifiable diseases. MMWR 2006;55: 880-1.
  • Fleming DT, Wasserheit JN. From epidemiological synergy to public health policy and practice: the contribution of other sexually transmitted diseases to sexual transmission of HIV infection. Sex Transm Infect 1999;75:3-7.
  • CDC. Sexually transmitted disease surveillance, 2005. Atlanta, GA: Department of Health and Human Services, CDC; 2006.
  • Whiley DM, Tapsall JW, Sloots TP. Nucleic acid amplification testing for Neisseria gonorrhoeae: an ongoing challenge. 2006 J Mol Diagn;8: 3-15.
  • CDC. Methamphetamine use and HIV risk behaviors among heterosexual men-preliminary results from five northern California counties, December 2001-November 2003. MMWR 2006;55:273-7.
  • Samuel M, Chase J, Lundberg M, et al. Investigation of steady and epidemic increases in gonorrhea in California, 1999-2004. In: Program and abstracts of the 16th Biennial Meeting of the International Society for Sexually Transmitted Diseases Research. Amsterdam, the Netherlands; 2005.
  • CDC. Primary and secondary syphilis-United States, 2003-2004. MMWR 2006;55:269-73.
  • US Preventive Services Task Force. Screening for gonorrhea: recommendation statement. Ann Fam Med 2005;3:263-7.
  • CDC. Sexually transmitted diseases treatment guidelines, 2006. MMWR 2006;55(No. RR-11).
  • Chesson, HW, Harrison P, Scotton CR, Varghese B. Does funding for HIV and sexually transmitted disease prevention matter? Evidence from panel data. Eval Rev 2005;29:3-23.

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ