ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)HIV/AIDS診断における人種・民族間格差-33・・・
2007/03/09Vol. 56 / No. 9
MMWR56(9): 189-193
Racial/Ethnic Disparities in Diagnoses of HIV/AIDS - 33 States, 2001-2005
2001~2004年、米国において新たに診断されたヒト免疫不全ウイルス(HIV)/後天性免疫不全症候群(AIDS)感染の51%を黒人が占めた。33州は、少なくとも2001年以来機密保持で名前に基づくHIV/AIDS症例報告を行ってきたが、この報告は、33州から2006年6月にCDCに報告された2001~5年における黒人成人と青年および他の人種・民族集団におけるHIV/AIDS診断を更新している。2001~5年に診断された推定184,991人の成人および青年のHIV感染のうち、黒人が他の人種・民族集団の総合計より多く(51%)発症した。新たなHIV/AIDS診断は25~44歳で最多(62%)となり、この年齢層において黒人は48%となった。米国において黒人のHIV/AIDSによる偏った影響を減少するために、より広範な組織の新たな介入および動員が必要である。この報告ではHIVあるいはAIDS症例はHIV/AIDS(AIDSを伴う、あるいは伴わないHIV感染)として共に分析され、診断年別に集計された。症例は、次の感染カテゴリー、1)男性間性交渉(男性と性交渉のある男性[MSM])、2)注射薬の使用(IDU)、3)注射薬によるMSM、4)ハイリスクの異性(HIV感染者、あるいはHIV/AIDSハイリスク者[MSMあるいは注射薬使用者]の異性)との接触、5)報告あるいは確認されていないその他(血友病あるいは輸血)および全部の危険因子、に従って分類された。2001~5年、黒人成人および青年は33州における人口の13%であったが、新たなHIV/AIDS診断例では50.5%となり、白人は人口の72%で診断例の29.3%、ヒスパニックは人口の13%で診断例の18.2%であった。人種・民族集団間で、黒人は男性(43.9%)、女性(67.2%)の診断症例の最高率であった。また、全年齢層、IDU、およびハイリスク異性間感染のカテゴリーにおいてHIV/AIDS診断率は黒人が最高であり、IDUおよびハイリスクの異性と接触する男女間において半数以上が黒人(男性で各53.8%と65.7%、女性で58.8%と69.5%)であった。HIV/AIDS診断されたMSMの多くは白人(42.7%)であり、黒人(36.2%)とヒスパニック(19.0%)の割合はより少なかった。黒人男女間でHIV/AIDS診断された年齢分布は感染カテゴリーによって差があった。感染カテゴリー別では、多くの黒人男性成人と青年におけるHIV/AIDS診断がMSM(30,154[51.7%])と分類され、次にハイリスクの異性間接触(14,698[25.2%])、IDU(10,415[17.9%])、IDUを伴うMSM(1,698[4.6%])、その他(322[0.6%])であった。女性については大多数がハイリスクの異性間接触(28,283[80.4%])と分類され、次にIDU(6,412[18.2%])、その他(465[1.3%])であった。
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