生乳飲用による大腸菌O157:H7感染症－ワシントン州およびオレゴン州、2005年11～12月

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MMWR抄訳

2007/03/02Vol. 56 / No. 8

MMWR56(8):165-167
Escherichia coliO157:H7 Infection Associated with Drinking Raw Milk － Washington and Oregon, November-December 2005

生乳飲用による大腸菌O157:H7感染症－ワシントン州およびオレゴン州、2005年11～12月

2005年12月5日から始まる週に、ワシントン州クラーク・カウンティの公衆衛生当局は、検査で確認された大腸菌O157:H7感染症の住民4名について報告を受けた。4名は、隣のワシントン州カウリッツ・カウンティの農場から入手した低温殺菌されていない生乳を消費したことを報告した。ワシントン州では、製造された牛乳の一部と引換えに乳牛に出資することは合法である。しかし、消費者に生乳を供給する農場は、州の農務省より承認され、州の牛乳生産と加工規格に合わせ、保健衛生検査に合格しなければならないが、その農場は未許可であった。この報告は、その農場に関連した大腸菌O157:H7症例の調査を要約し、消費生乳の健康被害について今までの警告を強化している。裁判所命令を通して得られた農場の株主リストは、感染リスクを確認する遡及的コホート研究を実施するために使用された。2005年12月16～19日、株主は、2005年11月20日からの牛乳消費に関する情報を収集するために、標準的な質問表を使用するインタビューを電話で受けた。農場からの乳牛の株主45家族のうち43家族がインタビューを受け、157名に関する情報が収集された。症例は、1）検査で確認された大腸菌O157:H7感染症、あるいは2）農場の顧客であり、2005年11月20日から12月13日までに発症した人の腹部痙攣もしくは出血を伴う下痢と定義された。インタビューを受けた43家族で18症例が同定され、うち8例（44%）は検査で確認された。症状発症日は2005年11月29日から12月13日で、患者2名がワシントン州南西部、1名がオレゴン州北西部住民であった。患者の年齢中央値は9歳（範囲：1～47歳）、9名（50%）は女性であった。18名の患者のうち17名（94%）は下痢、13名（72%）は出血性下痢、13名（72%）は腹部痙攣を報告し、1～13歳の5名（28%）の患者が入院した。17名は、農場の株主あるいは株主の子供であった。農場からの生乳消費を報告した140名のうち、18名（13%）が発症し、情報が入手できた157名の中で生乳を消費しなかった人に症状は報告されなかった。農場の査察で、ワシントン州農務省（WSDA）当局は、搾乳室への入口と搾乳室の汚れた床を覆うゴムマットにある泥と肥料の山に注目した。搾乳時に使用されたバケツは、直接その表面に接触していた。検査官はまた、不十分な手洗い施設、搾乳設備の洗浄、生乳の取扱いの不適切な手順を注意した。2005年12月9日、農場は、株主に残りの生乳を廃棄するよう忠告し、裁判所命令がカウリッツ・カウンティ保健局に下され、WSDAによって禁止命令が発せられた後に生乳の販売を停止した。この農場に関連する疾病の追加報告は受けていない。

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