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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)過失による中毒死-米国、1999~2004年

MMWR抄訳

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2007/02/09Vol. 56 / No. 5

MMWR56(5):93-96
Unintentional Poisoning Deaths - United States, 1999-2004

過失による中毒死-米国、1999~2004年

2004年、中毒は、米国における過失傷害による死亡原因として自動車事故に次いで第二位であった。米国のほぼ全ての中毒死は薬物によるものであり、ほとんどの薬物中毒は処方薬および非合法薬物の乱用が原因である。過去の報告から、80年代および90年代では、過失による中毒死亡率は大幅な増加を示した。この傾向をさらに調査するために、CDCは国民人口動態統計による最新データを分析した。この報告は、その分析結果を要約し、米国における中毒死亡率が1999~2004年に毎年増加し、この5年間に62.5%増加したことを明らかにした。最も増加率の大きかったのは、女性(103.0%)、白人(75.8%)、米国南部住民(113.6%)、年齢15~24歳住民(113.3%)であった。死亡率の大幅な増加は、農村人口が大部分を占める州に見られ、薬物中毒死亡率は68.3%、他の物質による中毒死亡率は1.3%増加した。最高増加率は“その他および不特定”の精神治療薬および麻薬カテゴリーであった。これらの結果は、致死性薬物過量摂取の増加に対処するために、より積極的な規制、教育、治療法が必要であることを示唆している。2004年死亡率データは、米国人口動態統計から収集された。1999~2004年に発生した過失による中毒死は、国際疾病分類第10版(ICD-10)からの死因コードX40-X49をもって定義された。この分類には、医療とは無関係の理由での違法薬物および合法薬物の過量摂取、誤って、または間違って摂取した合法薬物中毒、およびその他の物質(アルコール、農薬、一酸化炭素など)による中毒が含まれている。過失による中毒死亡数は1999年の12,186件から2004年の20,950件まで増加し、年次の年齢調整率は1999年の10万人あたり4.4から2004年の7.1まで増加した。女性の増加は10万人あたり2.3から4.7(103.0%)であり、男性の6.5から9.5(47.1%)と比較して2倍であった。男性における白人、アメリカインディアン・アラスカ先住民およびアジア人・太平洋諸島住民の割合は、全て約50%増加した。黒人男性の割合は、1999年に最大であったが、その後増加しなかった。女性においては、白人の割合が2倍以上であったが、非白人ではより微小な増加あるいは減少がみられた。全体的には、白人の死亡率は75.8%、アメリカインディアン・アラスカ先住民は55.8%、アジア人・太平洋諸島住民は27.4%、黒人は11.2%増加し、男女共にヒスパニックよりも非ヒスパニックでより増加した。全性別、人種・民族集団別では、非ヒスパニック系白人女性(136.5%)が、全年齢層では15~24歳が最も大幅な増加率(113.3%)であった。2004年では、最高率は35~54歳の間で、全中毒死の59.6%であった。

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