ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)リフトバレー熱のアウトブレイク-ケニア、2006年・・・
2007/02/02Vol. 56 / No. 4
MMWR56(4):73-76
Rift Valley Fever Outbreak - Kenya, November 2006-January 2007
2006年12月中旬、高熱および全身性出血による原因不明の複数死亡例が、ケニア北東州(NEP)にあるGarrissa Districtからケニア保健省(KMOH)に報告され、12月20日までに11名の死亡が報告された。最初の19名の患者から採取された血清検体のうち、リフトバレー熱(RVF)ウイルスRNAあるいはRVFウイルスに対する免疫グロブリンM(IgM)の抗体が10名の患者の検体から検出され、黄熱、エボラ熱、クリミアコンゴ出血熱、デングウイルスに対しては全血清検体は陰性であったが、アウトブレイクは、6検体からのRVFウイルスの分離によって確認された。ヒトは、RVFウイルスに感染した動物を餌とする蚊あるいは節足動物の病毒媒介体から、またはウイルス血症動物、特に家畜との接触を通してRVFウイルスに感染すると考えられ、NEPにおける家畜の死亡および動物の原因不明の流産は、それ以上にRVFアウトブレイクの根拠となった。12月20日、調査はKMOH、ケニアのField Epidemiology and Laboratory Training Program(FELTP)、Kenya Medical Research Institute(KEMRI)、U.S. Army Medical Research UnitのWalter Read Project、CDCケニアのGlobal Disease Detection Center、世界保健機関(WHO)およびMédecins Sans Frontières(MSF)を含むその他の協力者によって開始された。この報告は、その他多数の州や地域に拡大し、2007年1月25日現在404症例、118名の死者をもたらしたRVFアウトブレイクに対して実施された予備調査と予防方法について述べている。初発症例は、2006年11月30日にGarissa Districtの患者に報告された。Garissa地区病院における2006年7月~11月に採取された血清のレトロスペクティブ分析では、初期急性RVF感染の兆候を示さなかった。2007年1月25日現在、ケニアでの報告例のうち115例(29%)は、酵素免疫測定法(ELISA)による抗RVFウイルスIgM(64症例、56%)によって、あるいは逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)(79症例、69%)によって検査確認され、その中の28症例(24%)は両方法によって確認された。残りの289症例のうち109症例は、推定例として分類された。人口学的情報を有する230名の患者のうち、140名(61%)は男性であった。患者は4~85歳の範囲で、年齢中央値は27歳(女性30歳、男性25歳)であった。詳細な疫学情報が入手可能であったGarissaおよびWajir Districtから報告された初めての97症例のうち、71例(73%)は推定症例定義を満たし、血液検体を提出した62名の患者のうち38名はIgM ELISA、RT-PCR、あるいは両方法により陽性と判定された。97名の患者に最も頻繁に報告された症状は、発熱(100%)、頭痛(90%)、出血(76%)、倦怠感(70%)、筋肉痛(62%)、背痛(60%)、嘔吐(56%)、関節痛(51%)であった。
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