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MMWR抄訳

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2007/02/02Vol. 56 / No. 4

MMWR56(4):69-73
HIV/AIDS Diagnoses Among Blacks - Florida, 1999-2004

黒人のHIV/AIDS診断-フロリダ州、1999~2004年

2004年、フロリダ州の後天性免疫不全症候群(AIDS)症例は米国総数の11%を数え、ニューヨーク州、カリフォルニア州に次いで第三位であり、AIDS診断報告率もニューヨーク州に次いで第二位であった。非ヒスパニック系黒人はフロリダ州住民の14%であったが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)/AIDS患者77,421人の52%を占めた。この報告は、1999~2004年、黒人に発症し、フロリダ州保健省に報告されたHIV/AIDS診断の傾向について述べている。データによると、1999~2004年の黒人におけるHIV/AIDS年間診断率は、他の人種・民族集団よりさらに減少したことを示している。この減少の原因調査のために、HIV/AIDS診断率傾向がフロリダ州の淋病診断および公的資金を受けたHIV検査の傾向と比較された。1999~2004年、フロリダ州の黒人におけるHIV/AIDS診断率は、1999年の10万人につき224.4症例から2004年の134.0症例まで減少した。この減少は、黒人とヒスパニックとの診断率格差(1999年の10万人につき47.9症例から2004年の46.1症例まで)、また黒人と白人の診断率格差(1999年の10万人につき18.8症例から2004年の18.4症例まで)における減少の結果をもたらした。黒人の診断率は1999年に白人の11.9倍高く、2004年には7.3倍高かった。1999~2004年の診断率は、黒人、ヒスパニック、白人女性および黒人男性で減少し、年間減少率は白人女性およびヒスパニック系女性よりも黒人女性が高かった。黒人では、注射薬使用(IDU)歴のある男女、男性同性愛者およびIDU歴のある男性、また高リスクな異性との接触歴を有する男女で1999~2004年の診断総数は減少した。淋病診断症例数および公的資金を受けたHIV検査に関して、フロリダ州保健省に報告されたデータは、HIV/AIDS診断率が黒人で有意に減少した。1999~2004年に淋病率もまた黒人男女間で減少したことを示した。逆に、フロリダ州の公的資金を受けたHIV検査の年間総数は、黒人で1999年の81,101件から2004年の105,072件と有意に増加し、白人では108,680件から114,103件に、またヒスパニックでは32,050件から64,472件へと増加した。結果として、1999~2004年にフロリダ州の黒人における淋病診断率が減少する一方、HIV検査数は増加したことが指摘された。そして、黒人間のHIV/AIDS診断が高リスクな性交渉の減少と関連があると考えられ、検査数が少ない結果ではなかったことを示唆した。

References

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  • Janssen RS, Sattin GA, Stramer SL, et al. New testing strategy to detect early HIV-1 infection for use in incidence estimates and for clinical and prevention purposes. JAMA 1998;280:42-8.
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