ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)米国空母ロナルド・レーガンに乗船の水兵および一般市・・・
2007/01/05Vol. 55 / Nos. 51 & 52
MMWR55(51,52):1381-1382
Latent Tuberculosis Infection Among Sailors and Civilians Aboard U.S.S. Ronald Reagan - United States, January-July 2006
船の乗組員は混雑した閉鎖空間で生活すると同時に働いており、過去に結核のアウトブレイクやヒト結核菌感染の拡大が米国海軍軍艦で発生した。2006年7月13日、米国空母ロナルド・レーガンに乗船した乗組員に、塗抹培養陽性の空洞性肺結核が診断された。この報告は、米国海軍とCDCによって実施された接触者健診について述べ、結核の適切な時期の診断、新たなLTBIの同定と治療、また接触者健診における地方、州、連邦機関の連携の重要性を示している。2006年1月4日~7月6日、米国空母ロナルド・レーガンには、約3,350名の水兵が船の乗組員、1,630名が航空団として約5,000名の乗組員が配置された。6月29日~7月6日、合計1,225名の乗組員の家族や友人がハワイで乗船し、カリフォルニアまで航海し、水兵と同じ船室に宿泊していた。患者(32歳)はフィリピン生まれで、米国海軍入隊直後の1995年に潜伏結核感染(LTBI)の診断を受け、当時は標準的治療であった6ヵ月間連日のイソニアジドコースを完了した(現在の治療標準は9ヵ月)。患者は航空団に配属されており、7月13日に結核の診断を受けた。翌日、米国海軍は接触者健診を実施した。毎年行われるツベルクリン反応検査(TSTs)は、配属可能な海軍職員に義務付けられている。患者と濃厚に接触した水兵320名のうち12名(4%)が、新たなTST陽性を呈した。海軍は、接触者健診を患者の感染推定発症日である2006年2月20日以降48時間より長く乗船した全水兵および一般市民に拡大し、一般市民に対する接触者健診支援のためにCDCに連絡した。全水兵はTBスクリーニングを受け、船の環境が評価された。TBスクリーニングで一般市民を優先するために、新たなTST陽性結果の因子を同定する症例対照研究が水兵間で実施された。患者は乗船中の個人的、社会的、任務中の活動について質問された。結核患者の追加症例は水兵間では確認されなかったが、139名(3%)の水兵が新たな陽性TST(LTBIを意味する)を呈した。合計123名(88%)が症例定義を満たし、この研究に含まれた。47名(38%)は船の乗組員、76名(62%)は航空団に属していた。38名の男性の一般市民は、患者と同じまたは隣の個室に宿泊し、そのうち36名(95%)がスクリーニングを受け、2名(5%)は受けなかった。33名(92%)はTST陰性、2名(6%)は以前にTST陽性経験があり、共に結核臨床評価は陰性であった。70歳の1名(3%)は、曝露18日後のTST結果が15mmであった。
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