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MMWR抄訳

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2007/01/05Vol. 55 / Nos. 51 & 52

MMWR55(51, 52): 1377-1380
Folate Status in Women of Childbearing Age, by Race/Ethnicity - United States, 1999-2000, 2001-2002, and 2003-2004

妊娠可能年齢の女性における人種・民族別の葉酸状態-米国、1999~2000年、2001~2002年、および2003~2004年

1998年1月、米国では神経管欠損(NTD)(二分脊椎、無脳症等)に冒される妊娠を防止するために、栄養豊富な穀物製品に葉酸強化が義務付けられた。1999~2000年の国民健康栄養調査(NHANES)のデータで、妊娠可能年齢である非妊娠女性における血清葉酸濃度中央値が、強化を義務化する以前(1988~1994年)の濃度と比較して、事実上の増加を示した。この報告は、それらの結果を更新し、1999~2000年から2003~2004年までの調査で、人種・民族別血清葉酸濃度および赤血球(RBC)葉酸濃度の傾向を評価するためにNHANESのデータを使用している。比較結果によると、妊娠可能年齢である非妊娠女性間の血清葉酸濃度中央値は1999~2000年から2003~2004年にかけて16%減少し、RBC葉酸濃度は8%減少した。全ての妊娠可能な女性は、NTDを減少するために毎日400μgの葉酸を消化する必要があり、1992年に公衆衛生局はこれを勧告した。1996年、食品医薬品局(FDA)により公布された最終規則は、栄養豊富な穀物製品類(例えばパン、マカロニ製品、米、とうもろこし粉や荒挽き、穀粉)に葉酸強化を要求した。企業の全面遵守日は1998年1月であり、食事習慣の改善や葉酸強化に加えて、公衆衛生局は葉酸含有栄養補助食品の使用も勧告した。しかし、調査データでは強化の義務化以来、栄養補助食品使用に事実上変化はない。1999~2000年、2001~2002年、2003~2004年のNHANESは、特定の組織に属さない米国一般住民の多段層化確率サンプルによって選択された全年齢層を対象とする年次調査で、世帯インタビューと健康診断が各調査参加者に実施され、全調査年の血清葉酸およびRBC葉酸濃度がCDCにより測定された。2001~2002年および2003~2004年、15~44歳女性の血清葉酸濃度中央値は各11.4ng/mL、10.6ng/mLであった。1999~2000年(12.6ng/mL)から2003~2004年までに幾何平均(p<0.001)の比較に基づき、統計的に有意な16%の減少が観察された。同様に、RBC葉酸濃度は1999~2000年の255ng/mLから2003~2004年の235ng/mLまで8%減少した(p=0.028)。人種・民族別分析では、血清葉酸濃度中央値は、非ヒスパニック系白人 (p=0.008)、非ヒスパニック系黒人(p=0.023)、メキシコ系アメリカ人(p<0.001)の全3集団で、1999~2000年から2003~2004年までに有意に低下した。最も大きな減少(16%)は、非ヒスパニック系白人においてであった。

References

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