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MMWR抄訳

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2006/12/08Vol. 55 / No. 48

MMWR55(48):1300-1303
Environmental Barriers to Health Care Among Persons with Disabilities - Los Angeles County, California, 2002-2003

障害者医療に対する環境のバリア-カリフォルニア州ロサンゼルス郡、2002~2003年

2002年、米国における推定5,120万人(人口の約18.1%)は障害者であった。最新のデータは、健康に関わる行動と全般的な健康状態において、障害者と健常者との間に相当の格差が存在することを指摘している。しかし、障害者が適切な医療にアクセスすれば、健康的な生活を送ることが出来る。世界保健機関のInternational Classification of Functioning, Disability, and Healthは、障害者の日常活動で環境(例えば物理的環境、他者への態度、政策等)がバリアとなるかあるいは促進剤となるか、その重要性を強調している。さらに、障害者のための健康治療計画へのアクセスを増やし、日常活動に参加の場合に環境のバリアを持つ障害者の割合を減らすことはHealthy People 2010の目標である。しかし、環境が障害者の生活にどのように影響を与えているかについて、住民に基づく調査がほとんどないため、2002~2003年、カリフォルニア州ロサンゼルス郡で住民の障害率が調査された。調査結果により、身体あるいは知覚障害者は幾つかの環境のバリアを体験し、バリア率は人口学的特性、収入、障害度によって異なった。障害者の生活の質を改善するために、公私立の医療機関は医療や他のサービスに対する環境のバリアを取り除く対策を実行することが必要である。Los Angeles County Health Surveyは、ロサンゼルス郡の特定の組織に属さない成人を対象とした2年毎の無作為電話調査で、2002年10月~2003年2月に18歳以上の成人が調査され、インタビューが数言語で実施された。14,154成人のうち8,167人(57.7%)が回答し、分析は、身体あるいは知覚障害を報告した人に限定され、ロサンゼルス郡の8,115回答者のうち1,333人(17.3%)が該当とされ、全国推定率と一致した。障害率は60歳以上、非ヒスパニック系黒人、男性間で最も高く、それぞれ517人(32.6%)、221人(28.7%)、662人(18.3%)が障害を報告した。1,333人のうち1,220人(90.4%)は身体障害、700人(48.3%)は知覚障害、587人(44%)は両障害を報告した。495人(35.5%)の回答者は中等度、481人(35.1%)は重度、324人(29.3%)は軽度障害を報告した。身体あるいは知覚障害者のうち1,123人(84.7%)は障害関連の環境のバリアを、820人(62.1%)は障害が社会活動を制限していると報告し、256人(70.3%)の低所得者層、144人(66.0%)の黒人、257人(64.5%)のヒスパニックがこのバリアを報告した。774人(60.4%)の回答者は、どこで障害に関する資金や設備の情報を得るのかを知らず、18~39歳の白人でない(黒人、ヒスパニック、アジア系)低所得者は、その情報を得る難しさを報告したようであった。

References

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