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MMWR抄訳

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2006/11/24Vol. 55 / No. 46

MMWR55(46): 1248-1251
Improvement in Lipid and Glycated Hemoglobin Control Among Black Adults with Diabetes - Raleigh and Greensboro, North Carolina, 1997-2004

黒人の成人糖尿病患者における脂質と糖化ヘモグロビンのコントロールの改善-ノースカロライナ州、ローリーおよびグリーンバラ、1997~2004年

過去の研究により、米国では黒人糖尿病患者は白人糖尿病患者と比較して血糖と脂質のコントロールがより低水準で、糖尿病関連合併症への危険性が高いことが指摘されている。臨床試験では、血糖と脂質のコントロールが成人における微小血管・大血管合併症の危険性を減少させることが実証されている。さらに、最近の全国調査データの研究では、米国の糖尿病患者の血圧、コレステロール値、喫煙率が徐々に長期的に改善する傾向にあることが示された。これらの研究は、血圧、糖化ヘモグロビン(HbA1c)、コレステロールの推奨レベルを満たす患者の割合が増加したことを示唆したが、米国黒人がこの全体的な改善から恩恵を受けたかどうかは不明である。ノースカロライナ州ローリーおよびグリーンバラにおける黒人成人間で実施された調査は、DIRECT計画(Diabetes Intervention Reaching and Educating Communities Together)の一部として、糖尿病抑制と合併症への危険性の傾向を調べる機会を提供した。DIRECT計画は、糖尿病患者の自己管理、治療法、治療の質等の改善を目的とした地域ベースの介入である。この報告における分析は、糖尿病と合併症をいかにコントロールするか、臨床上理解する上で急速な進展時期であった1997~2004年に、血糖と脂質のコントロールが両地域で改善されたかどうかを調査している。この報告は、その分析結果を要約し、HbA1c、低密度リポ蛋白(LDL)コレステロール、高密度リポ蛋白(HDL)コレステロール、トリグリセリド、総コレステロールの推奨レベルを満たすと報告した黒人成人糖尿病患者の割合に改善が見られたことを示した。しかし、追加調査では、これらの患者の多くが喫煙者で血糖、脂質の推奨レベルを上回っていたため、糖尿病および心臓病高リスク患者に対して治療の質を改善し、危険因子を除去するには、市民の継続的教育が必要である。1997年の調査に参加した2,300名のうち617名は糖尿病患者で407名が検査を承諾し、追加調査参加者3,083名のうち729名は糖尿病患者で435名が検査を承諾した。データは2000年米国国勢調査に基づく調査対象集団の年齢、性別、人種、民族構成を反映して加重された。HbA1cと脂質レベルに改善が報告されたが、改善されなかった一つの危険因子は喫煙で、喫煙率は約46%であった。

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