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MMWR抄訳

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2006/10/20Vol. 55 / No. 41

MMWR55(41): 1117-1120
STD-Prevention Counseling Practices and Human Papillomavirus Opinions Among Clinicians with Adolescent Patients - United States, 2004

青年期患者を診療する医師の性行為感染症予防カウンセリングの実施とヒト乳頭腫ウイルスに関する意見-米国、2004年

2000年、米国では推定1,890万例の新たな性行為感染症(STD)が発生した。15~24歳の青年は、性的活動を有する年齢層の25%であるにも関わらずSTD症例の約48%がこの年齢層で発症しており、24歳以下の青年にみられる最も一般的な性行為感染症はヒト乳頭腫ウイルス(HPV)である。大多数の若者の自然免疫は臨床的帰結なしにHPV感染を乗り越えられるが、特定の感染は持続し、男女共に肛門性器部位のイボ、前癌症状的変化、侵潤性癌を引き起こしている。2000年、推定460万例の新たなHPV感染症が15~24歳の青年に発症し、生涯の直接医療費は推定29億ドルに達した。2006年6月、食品医薬品局は、ワクチン(HPV6、11、16、18)含有HPV型によって発症する子宮頚癌(米国2000年罹患率:10万につき9.4例)、性器の前癌病変、性器イボの予防のために、9~26歳女性用の最初のHPVワクチンを認可した。しかしワクチンに含まれるHPV型による性器感染症に対する保護は示されたが、既に感染した患者への治療効果は示されなかった。1)青年期定期健康診断時の米国医療機関によるSTDリスク評価、カウンセリングおよび教育訓練、2)HPV予防方法に関する医療機関の意見、を評価するために、CDCとBattle Centers for Public Health Research and Evaluationは青年期における初期治療を実施する医師を調査した。調査結果によると、青年期患者におけるSTDの危険性を評価した大多数の医師は、STD予防を呼びかけ、様々な予防方法を推奨した。しかし、HPV感染予防対策の効果や、長期間にこれらの方法を継続できるかどうか医師の意見は様々であった。医師は高リスク年齢層のSTD罹患率を減少するために、定期的に青年期患者のSTDリスクを評価し、STDのカウンセリング、教育を実施することが必要である。この報告における分析は、HPV感染およびSTD一般診療に関する米国の医師における知識、態度、実施の幅広い評価によって行われた。2004年5月、CDCはSTDの診断、治療、予防を提供する7専門分野における医師5,386名に調査のためのメールを送ったが、2,958名の回答者のうち84%は私的機関で診療しており、83%は白人、55%は男性であった。医師は中央値で14年医療に従事し、患者の大多数は女性(中央値:69%)、白人(中央値:69%)で、個別保険に加入していた(中央値:53%)。94%の医師は、以前にSTDの診断経験を持ち、過去12ヵ月間に各中央値5例のクラミジア・トラコマチスおよび6例の性器ヘルペスの診断症例を報告した。さらに、感染予防方法として、医師の90%がコンドームの使用、76%が一夫一婦制・性交者数の制限、54%が自制を奨励しており、95%の医師は一夫一婦制・性交者数の制限は非常に効果的であると信じており、81%はこのことを多くの患者に推奨する価値があると考えていた。

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