託児所に関連した多剤耐性ゾンネ赤痢菌腸炎のアウトブレイク－カンサス州、ケンタッキー州、ミズーリ州、2005年

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MMWR抄訳

2006/10/06Vol. 55 / No. 39

MMWR55(39): 1068-1071
Outbreaks of Multidrug-Resistant Shigella sonnei Gastroenteritis Associated with Day Care Centers － Kansas, Kentucky, and Missouri, 2005

託児所に関連した多剤耐性ゾンネ赤痢菌腸炎のアウトブレイク－カンサス州、ケンタッキー州、ミズーリ州、2005年

小児医療で一般的に使用される抗生物質に耐性を持つゾンネ赤痢菌への感染は、過去10年間にさらに日常的になってきた。2005年、カンサス、ケンタッキー、ミズーリ各州から、託児所に関連した細菌性赤痢の症例増加は、圧倒的に多剤耐性（MDR）（アンピシリン、トリメトプリム－スファメトキサゾール（［TMP/SMX］耐性）ゾンネ赤痢菌に起因することが報告された。カンサス州とミズーリ州の分離株に対するパルスフィールドゲル電気泳動（PFGE）パターンは類似しており、カンサスシティ地域における共通のアウトブレイクを示唆した。その一方で、ケンタッキー州の分離株は異なったパターンを示した。この報告は、託児所におけるMDR細菌性赤痢の2つのアウトブレイク調査について述べ、これらの環境下でのゾンネ赤痢菌感染の予防と対策を再検討している。小児の細菌性赤痢患者を安全に治療できる抗生物質に対する現行の耐性比率を考え、細菌性赤痢発生時に実施された公衆衛生対策は、託児所における適切な手洗いとおむつ替えの励行に重点を置く必要がある。細菌性赤痢は、3州で報告義務のある疾病である。確認症例は、臨床検体から分離されたゾンネ赤痢菌を有する人における疾病と定義され、推定症例は、確認症例に疫学的に関連する人で臨床的に適合する症状と定義されている。カンサス州カンサスシティ市内とその周辺部では、2005年5月1日から12月31日までに201件の確認済みゾンネ赤痢菌感染が報告され、患者の年齢中央値は7歳（範囲：1～70歳）であった。10歳以下の患者のうち66名（51%）は女子であった。ミズーリ州カンサスシティ市内とその周辺部では、同時期に合計645の細菌性赤痢確認症例、80の推定症例が報告され、患者の年齢中央値は6歳（範囲：0～67歳）であった。全体的に、532件（74%）の感染は10歳以下の小児に発生し、255名（48%）は女性であった。ケンタッキー州では、2005年5月1日から8月31日までにゾンネ赤痢菌感染の合計148確認例がフェイエット郡において報告されたが、過去5年の基準を超えて42倍の増加を示した。患者の年齢中央値は4歳（範囲：0～61歳）で、10歳以下の小児のうち59名（50%）は女子であった。3州の地域公衆衛生局は、症例調査を実施し、託児所職員と面会して手洗いを奨励し、おむつ替えと調理を観察注意した。また、24時間以上をおき、抗生物質治療終了後24時間以上経過して採取された糞便培養に、2回連続してゾンネ赤痢菌が記録書類に表示されなくなるまで、細菌性赤痢菌小児を託児所から隔離することを要求している。

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