ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)生鮮ほうれん草摂取による大腸菌血清型O157:H7・・・
2006/09/29Vol. 55 / No. 38
MMWR55(38): 1045-1046
Ongoing Multistate Outbreak of Escherichia coli serotype O157:H7 Infections Associated with Consumption of Fresh Spinach - United States, September 2006
2006年9月13日にCDC当局は、ウイスコンシン州とオレゴン州の疫学者より、生鮮ほうれん草が州の大腸菌血清型O157:H7感染症の感染源ではないかと警告を受けた。同日、ニューメキシコ州の疫学者は、生鮮ほうれん草摂取による同州の大腸菌O157:H7感染症集団に関してウイスコンシン、オレゴン各州と連絡を取った。ウイスコンシン州公衆衛生当局は、9月8日、CDCに大腸菌O157:H7感染症集団を初めて報告した。9月12日にCDC PulseNetは、ウイスコンシン州の感染者の大腸菌O157:H7菌株がパルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)の型と一致し、他州の患者の分離株と同型であることを確認した。この報告は、州公衆衛生当局、CDC、食品医薬品局(FDA)が取り組んできた合同調査とアウトブレイク対策について述べており、調査と追加症例結果は現在進行中である。9月26日現在、大腸菌O157:H7アウトブレイク菌株感染者合計183人が26州からCDCに報告された。患者のうち95人(52%)は入院、29人(16%)は溶血性尿毒症症候群(HUS)であり、1人が死亡した。このアウトブレイクに関係すると見られる2人の死亡が、26州からCDCに報告された。患者の95人(52%)は入院、29人(16%)については、調査中である。患者の85%は8月19日から9月5日までに発症し、生鮮ほうれん草が発生源であると確認された。130人のうち123人(95%)は、発症前10日間に調理されていない生鮮ほうれん草を摂取した。また、発生菌と一致したPFGEの型を持つ大腸菌O157:H7は、患者(ニューメキシコ1人、ユタ1人、ペンシルバニア1人)が摂取したほうれん草3袋から分離された。9月14日にFDAは、消費者に対して報道発表と記者会見で袋詰ほうれん草を食べないように忠告した。9月15日、袋詰するカリフォルニアの会社は、ほうれん草を含む全商品の回収を発表し、9月16日、FDAはほうれん草やほうれん草入り製品を摂取しないよう消費者に警告を拡大した。9月21日、FDAはカリフォルニア州の3郡で栽培されたほうれん草のみがアウトブレイクに関連していたと消費者に報告した。確認症例は、米国居住者において培養確認された大腸菌O157:H7感染症と定義され、8月1日から現在までに発症し、またアウトブレイク菌株型に一致するXbaI制限酵素によって確認されたPFGEの型を持つものとした。
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