ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)最新情報:インフルエンザ活性-米国と世界、2006・・・
2006/09/22Vol. 55 / No. 37
MMWR55(37): 1021-1023
Update: Influenza Activity - United States and Worldwide, May 21-September 9, 2006
2006年5月21日から9月9日の間に、インフルエンザA(H3)型、A(H1)型、B型ウイルスが世界に蔓延し、北米で散発的に確認された。この報告は、米国と世界のインフルエンザ活性について要約している。米国では、CDCはインフルエンザ全国調査のために7つのシステムを使用し、次に挙げる4つのシステムは年間を通して稼動している。それは、1)世界保健機関(WHO)とNational Respiratory and Enteric Virus Surveillance System(NREVSS)の協力研究機関システム、2)U.S. Influenza Sentinel Provider Surveillance System、3)122 Cities Mortality Reporting System、4)検査室で確認の済んだインフルエンザによる小児死亡を記録する全国調査システムであり、データはこの報告に含まれている。5月21日から9月9日の間に、米国のWHOとNREVSSの協力研究機関は、14,751の呼吸器検体を検査し、318(2%)がインフルエンザ陽性であった。陽性の208(65%)はインフルエンザB型ウイルス、58(18%)はA(H1)型、5(2%)はA(H3)型、47(15%)は亜型ではないA型であった。同時期に、アジア全土ではインフルエンザA(H1)型ウイルスが猛威を振るったが、初夏には日本ではB型が流行した。南アフリカでは圧倒的にA(H3)型、マダガスカルでは少数のA(H3)型とA(H1)型が報告され、ヨーロッパと北米では少数のA型とB型が報告された。オセアニアではA(H1)型、A(H3A)型の蔓延でA型が主流であり、B型はより低レベルであった。南米ではA(H1)型が最も多く報告されたが、A(H3)型とB型も確認された。CDCに設置されているWHO Collaborating Center for Surveillance, Epidemiology, and Control of Influenzaは、世界中の研究所から入手したインフルエンザウイルス分離株を分析している。5月21日から9月9日の間に収集され、CDCで分析された23のインフルエンザA(H1)型ウイルスのうち、17(74%)は2006-07インフルエンザワクチンのH1N1成分であるA/New Caledonia/20/99に抗原性が類似していた。19のA(H3)型のうち、18(95%)は2006-07インフルエンザワクチンのH3N2成分であるA/Wisconsin/67/2005に抗原性が類似していた。2006-07インフルエンザワクチンのB型成分はB/Victoria系統に属するが、5月21日から9月9日の間に収集され、CDCで同定された26のB型分離株のうち、23はB/Victoria系統であった。また、2003年12月1日から2006年9月8日の間に、合計244の鳥インフルエンザA(H5N1)型感染症例が10ヵ国よりWHOに報告され、2006年5月21日以降は23症例が報告された。244症例のうち、合計143症例(59%)は死亡した。鳥インフルエンザA(H5N1)型ウイルス感染によるヒト症例は、今まで米国では確認されていない。
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