ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)麻疹対策活動の効果-アフリカ地域、1995年~20・・・
2006/09/22Vol. 55 / No. 37
MMWR55(37): 1017-1021
Effects of Measles-Control Activities - African Region, 1999-2005
1999年、世界中に流行した麻疹による約871,000名の死亡のうち、61%はサハラ以南のアフリカで発生した。2001年、世界保健機関(WHO)アフリカ地域の国々は、1999年の麻疹による死亡数を2005年までに半減するために麻疹対策プログラムを加速的に開始した。アフリカ地域のこのプログラムは、次の4戦略に基づいている。それは、1)定期予防接種を改善する、2)2回投与の定期的予防接種スケジュールあるいは補足的な予防接種活動(SIAs)を通じて麻疹ワクチン接種の2度目の機会を提供する、3)麻疹症例管理を改善する、4)全推定麻疹症例を検査室で確認された症例に基づく調査とする、ことであった。この地域の7ヵ国は、地域プログラムが開始される以前の2000年までに、遅れを取り戻すためのSIAsを行っていた。2001年には、より多くの国でSIAsを実施、フォローアップして予防接種拡大プログラムで麻疹ワクチンと他のワクチンの定期的な接種率を改善するための方策が講じられた。この報告は、1999年~2004年にWHOアフリカ地域で実施された全国SIAsと他の麻疹対策活動を要約し、1990年以来の報告された麻疹症例の傾向を分析し、2005年に報告された年間麻疹症例数と1999年の症例数を比較している。WHOとUNICEFは、麻疹の定期的な予防接種率の国別年間予測を発表しており、予測は接種率調査、国別報告書、接種率データ、地域や現地の専門家との相談等の再調査に基づいている。生後12~23ヵ月幼児のアフリカ地域における1回投与の麻疹ワクチン接種率は、1999年の52%から2004年の67%へと増加した。2004年、地域46ヵ国のうち37ヵ国は60%を上回り、17ヵ国は80%以上の接種率が予測された。1980年代より、国別麻疹症例の年間件数は、国の保健省よりWHOアフリカ地域事務局に毎年報告されてきた。SIAs実施以前、全ての国は総合データを提供する感染症定期情報システムを通じて麻疹症例をWHOに報告したが、この調査システムからの報告症例は検査室で確認されていなかった。SIAs実施後は、推定麻疹症例の検査室で確認された症例に基づく調査システムを実施し始め、各国はSIAsを実施した年によってグループ分けされ、1990年から2005年までの国のグループと年による報告症例数が計算された。SIAsを全て完了したグループAとグループBの報告麻疹症例数は、SIAs実施と共に着実に減少し始めたが、グループCでの減少は認められなかった。SIAsを完了した国の推定麻疹症例総数は、1999年の202,972件から2005年の14,284件へと93%減少した。
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