ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)胸部診療所における結核患者のHIVカウンセリング、・・・
MMWR抄訳
2006/08/11Vol. 55 / No. 31
MMWR55(31): 849-851
HIV Counseling, Testing, and Care of Tuberculosis Patients at Chest Clinics - Guyana, 2005-2006
胸部診療所における結核患者のHIVカウンセリング、検査および医療-ガイアナ、2005~2006年
結核は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者、あるいは後天性免疫不全症候群(AIDS)患者における羅患、死亡の主な原因である。2004年、ガイアナは人口10万人に対して140人の結核推定発症率で、アメリカ大陸で4番目の高率であった(ハイチ、ボリビア、ペルーの次)。また、成人HIV推定羅患率が2.5%で、結核患者の20%はHIV感染者であると報告された。2000年、ガイアナ保健省(MOH)は、6ヵ所の公立胸部診療所で、HIV/AIDS計画のためにHIVカウンセリング、検査、照会の準備を開始した。2005年末、胸部診療所はまた、一般の日和見感染症への対策として、HIV感染した結核患者にコトリモキサゾール予防療法(CPT)を提供し始めた。2006年2月から6月、国際チームは、ガイアナにある保健省胸部診療所が2005年7月から2006年6月の間に、これらの介入をどの程度実施したかを評価した。この報告は、評価結果を要約したものである。253名のサンプル結核患者のうち、174名(69%)は当初HIVの感染状況を知らず、そのうちの127名(73%)の患者はHIVカウンセリング、検査を勧められ、115名(91%)が応じてHIV検査を受けた。検査を受けた115名のうち、11名(10%)はHIV感染者と断定された。HIVの感染状況を知らされていた194名中の68名(35%)は、HIVに感染していた(胸部診療所で検査を受けた11名とHIV状況を前もって知っていた57名)。これらの結果は、ガイアナの結核患者におけるHIV感染率の高さと共に、資源の限られた環境でHIV関連に介入する胸部診療所の能力の高さも示している。ガイアナでは、報告された全結核症例の約90%が6ヵ所の保健省胸部診療所で診断され、治療を受けた。胸部診療所は、HIV簡易検査を提供しており、将来は現在処方していない抗レトロウイルス療法(ART)をHIV感染した結核患者に行うことを予定している。また可能であれば結核とHIV患者医療について訓練された臨床医を雇用する。患者の医療記録(胸部とHIV診療所におけるカルテ、治療カード、登録簿、日誌など)の保管されている胸部診療所で、2005年7月から12月に結核治療を開始した全患者の評価を行い、患者の人口統計、診断、臨床試験、治療に関するデータが収集された。6ヵ月の評価期間に、380名の患者が、6ヵ所の胸部診療所で結核治療開始として登録され、そのうち253名(67%)の患者の医療記録が保管され再調査に利用可能となった。
References
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