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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)熱関連死-米国、1999~2003年

MMWR抄訳

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2006/07/28Vol. 55 / No. 29

MMWR55(29): 796-798
Heat-Related Deaths - United States, 1999-2003

熱関連死-米国、1999~2003年

熱関連疾患(熱痙攣、熱性疲労、熱失神、熱中症)は、周囲の高い温度が体温の自然放出能力を超えた時に起こる。高齢者、幼い子供、慢性疾患を持つ人は、特にこれらの疾病に罹りやすく、熱関連死の危険性が高い。これまで、熱関連死の関連危険因子の分析は、死亡証明書に記載された原死因に基づいており、高体温が一要因として記載されているが原死因ではない死亡者については含まれていなかった。この報告では、死亡証明書に高体温が一要因として記載された熱関連死亡数の分析を行っている。それによると、これらの死亡数を含むことで熱関連死亡数は54%増加したため、熱関連死亡数は過小評価されていると指摘した。CDCは、全国死亡率動向を推定するために、International Classification of Diseasesからコード分類された死亡証明書による情報を使用している。州から集計、提出されたデータは、原死因として記録された過度の自然熱(コードX30、ICD、第10版[ICD-10])、また一要因として記録された高体温(ICD-10コードT67)、あるいは両方に曝露された1999年から2003年の米国における死亡者数を算定するために利用された。1999年から2003年には、極度の熱に曝露された合計3,442名の死亡者数が報告された(年平均:688)。これらの死亡者数のうち2,239名(65%)については、その原死因は過度の熱による曝露と報告され、残りの1,203名(35%)は高体温が一原因であると報告された。男性における死亡は、全死亡者数の66%を数え、全年齢層において女性を上回った。年齢情報が有効な3,401名の死亡者のうち、228名(7%)は15歳未満、1,810名(53%)は15歳から64歳、1,363名(40%)は65歳以上であった。年間高体温による死亡率が最も高かったのは、アリゾナ州(100,000人に付き1.7)、次いでネバダ州(0.8)、ミズーリ州(0.6)であった。

References

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