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MMWR抄訳

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2006/07/14Vol. 55 / No. 27

MMWR55(27): 749-752
Varicella Outbreak Among Vaccinated Children - Nebraska, 2004

ワクチン接種児童の水痘発症-ネブラスカ州、2004年

2004年11月19日、Nebraska Health and Human Service System(NHHSS)に、学校看護師が小学校(幼稚園から7年生まで)での水痘発症を報告した。地方の保健局とCDCの協力により、NHHSSは発生規模を測定し、ワクチン接種率と効果を算定し、また接種児童と未接種児童との疾病重症度を比較するために、後ろ向きコホート研究を開始した。この報告は、調査を要約し、症例に基づくサーベイランスから学校環境の適合性を考察している。調査の結果、水痘ワクチン接種率の改善と、入学時における水痘ワクチン接種実施の重要性が強調された。質問書は、水痘既往歴、水痘ワクチン接種および特別な医学的症状を把握するために、全小学校児童の親に送付された。学校の予防接種記録が、全児童のワクチン接種状況確認のために再調査された。質問書に加えて、疾病を持つ児童の親に病気の範囲や特性を確認するために電話で問い合わせた。皮膚病変からの標本で、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の検査が行われた。2004年8月26日から12月23日(秋季学期)の間に、症例は他に明らかな原因の無い急性全身性斑丘疹の小庖疹と定義された。症例は、軽度(皮膚病変50以下)、中等度(皮膚病変50から500)、重度(皮膚病変500以上あるいは合併症または入院)に分類された。小学校で登録された283名の児童は、15クラスに分けられた。19名(7%)の親は質問書に回答しなかった。264名の回答者のうち、122名(46%)は子供の水痘既往歴を示した。残り142名の児童で、115名(81%)は予防接種を受け、33名は症例定義に合致した。水痘発症は9月末に始まり、10月末から11月初めにピークを迎えた。発端患者は、予防接種を受けていない幼稚園児で、9月21日に発疹が発現した。その児童は重篤な熱性疾患(病変500以上、二次皮膚感染合併症)で、発疹発症後2日間登園したが、感染源は特定されなかった。感染した13クラスのうち9クラスで、最初に発症したのは、予防接種を受けていない児童であった。3名の児童は、同じ学校に通う兄弟に続いて発症した。また、児童の家族に4件の二次的症例が確認された(子供1名、親3名、全員が未接種)。全員が2週間以内に発疹を発症した。ワクチン接種児童と未接種児童の発症率は、13%(115名のうち15名)と67%(27名のうち18名)であった。重症度の全水痘予防に対するワクチンの有効性は81%(95%信頼区間[CI]は66%から89%)であり、中等度から重度疾病予防に対するワクチンの有効性は93%(95%CIは82%から97%)であった。ワクチン接種を受けた児童は、未接種児童より軽い症状で(67%対11%)、発疹日数も少なく(5対7.3)、また休学日数も少なかった(3対5.2)。

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