ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)東部ウマ脳炎-ニューハンプシャー州およびマサチュー・・・
2006/06/30Vol. 55 / No. 25
MMWR55(25): 697-700
Eastern Equine Encephalitis - New Hampshire and Massachusetts, August-September 2005
2005年8月から9月に、ニューハンプシャー州保健社会福祉省は、ヒトの東部ウマ脳炎ウイルス(EEEV)疾患の7症例を報告したが、これは41年間の全国調査でニューハンプシャー州から報告されたヒトEEEV疾患のうち、最初に検査室で確認された地域的後天性の症例であった。さらに、同時期にマサチューセッツ州公衆衛生省は、ヒトEEEV疾患の4症例を報告したが、これは10年間でマサチューセッツ州から報告された年間平均0.8症例の5倍であった。ニューハンプシャー州とマサチューセッツ州では、11名の患者のうち4名が死亡した。EEEVは、主にCuliseta melanura蚊によって風土病性鳥―蚊―鳥の循環で、湿地や沼地の中で伝染する。媒介蚊(Coquillettidia perturbans、Aedes vexans、Aedes sollicitans)によって、EEEVはヒトや他の動物に媒介される。この報告は、ニューハンプシャー州とマサチューセッツ州の保健省とCDCによって実施された2州の症例調査を要約している。その中で、米国でのアルボウイルス脳炎調査や診断的検討の重要性、また地域の蚊駆除、殺虫剤使用等の予防措置に対する重要性を強調している。ニューハンプシャー州とマサチューセッツ州の住民において、2005年7月1日から9月30日に発症した髄膜炎あるいは脳炎としてのEEEV疾患症例は、次のように定義された。1)脳脊髄液(CSF)における抗EEEVIgM抗体、または2)IgM抗体捕捉酵素抗体法(MAC-ELISA)による抗EEEVIgM抗体価上昇および血清中プラーク減少中和試験(PRNT)によるEEEVへの中和抗体、である。面接は患者、家族あるいは友人に対して実施され、医療記録は再調査された。蚊発生地点、家と他の蚊曝露可能な地点が地図で示され、評価された。症状発現は、8月1日の週から9月12日の週まで続いた。患者の年齢中央値は45歳(3ヶ月から85歳まで)、6名(55%)は男性であった。11名の患者全員が入院し、4名(36%)は死亡した。入院前に3名(27%)は1日未満、8名(73%)は2日から15日間症状が持続した。4名の死亡者を含む5名は、非特異的症状鑑別のために診療を受けたが、その後脳炎と髄膜炎で入院した。9名の患者(82%)は異常な精神状態を特異とする脳炎に罹患した。そのうち3名は重篤な急性神経症状が見られ、即日入院となった。他の6名は非特異的全身症状を前兆に、神経症状を発現した。
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