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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)簡易HIV検査の配布-米国、2003~2005年

MMWR抄訳

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2006/06/23Vol. 55 / No. 24

MMWR55(24): 673-676
Rapid HIV Test Distribution - United States, 2003-2005

簡易HIV検査の配布-米国、2003~2005年

2003年末には、米国で推定100万人が後天性免疫不全症候群(エイズ)を含むヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染していたが、これらのおよそ4人に1人が感染の診断を受けていなかった。2003年、CDCは新しい取組みとしてHIV予防を促進するAdvancing HIV Prevention(AHP)を実施した。この取組みは、HIV検査を拡大し、また従来は通常2週間費やしていた検査が30分以内で結果を受取ることができる簡易検査の利点を生かして、未診断HIV感染の罹患率を減少させることに焦点をあてたものである。CDCはAHPの戦略を支援し、2003年9月から2005年12月まで、新しい環境(公共福祉施設あるいは救急診療部など)で簡易検査使用を実現する試みや評価のために簡易HIV検査を購入し、配布した。この報告は、簡易HIV検査配布計画(RTDP)の結果を要約している。それによれば、CDCは米国の230機関に簡易検査を配布し、372,960件の検査のうち4,650件(1.2%)のHIV感染が確認されている。この結果は、簡易HIV検査配布計画が米国でこの計画の拡大に寄与し、この検査を受けなければ感染と診断されなかった人々のHIV診断を可能にしたことを示唆している。2003年から2004年に、HIV検査を実施する公的資金を受けた機関は、簡易HIV検査配布計画への参加資格を付与され、2005年には、参加はCDCのAHP主導によって資金を受けた21州とコロムビア特別区(CD)にある機関に制限された。3年間、参加機関は1)適切な品質保証計画とClinical Laboratory Improvement Amendments(CLIA)の認証を受けること、2)定期的な外部精度管理を行うこと、3)予備検査で陽性である簡易HIV検査結果を確認するためのウエスタンブロットあるいは免疫蛍光分析を使用すること、などが要求されている。230機関のうち128(56%)機関は四半期ごとの報告を提出し、配布された簡易検査は606,951(76.8%)件となった。これらの検査のうち、372,960(61.4%)は診断目的に、60,294(9.9%)は外部精度管理に、25,378(4.2%)は研修のために利用された。残りの148,319(24.4%)の検査は、報告が提出された時点で未使用か、CDCに返却された後に他の機関に再配布されたか、使用以前に期限切れになった。

References

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