ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)脳卒中発症後死亡した患者の死亡場所-米国、1999・・・
MMWR抄訳
2006/05/19Vol. 55 / No. 19
MMWR55(19): 529-532
Place of Death After Stroke - United States, 1999-2002
脳卒中発症後死亡した患者の死亡場所-米国、1999~2002年
脳卒中は、米国における3番目の主要な死亡原因である。急性脳卒中への介入を成功させるか否かは、早期症状確認、迅速な救急搬送、早急な病院内治療にかかっている。しかし、約半数の脳卒中発症患者は病院に入る前に死亡する。1990年から1998までの間に、病院での脳卒中死亡の割合は減少し、病院への搬送前に死亡した割合が増加した。この報告では、脳卒中によって死亡した患者の死亡場所、緊急援助者が到着前に脳卒中による死亡が発生した割合、そして死亡場所に関連した特徴などの傾向を要約している。2002年に脳卒中で死亡した162,672名のうち、49.2%は搬送される前、0.4%は到着時に死亡、3.3%は救急科で、47.0%は病院に入った後死亡した。患者とその近くにいた人の早期脳卒中症状の認識、緊急援助者を呼ぶ迅速な行動が、脳卒中による死亡数と割合を減少させることができる。さらに、救急医療における早急な到着や脳卒中患者の適切な治療を改善することにより、搬送前死亡と重度障害につながる重症後遺症の割合を減少させることができる。この報告における全国死亡率統計は、CDCに報告された全50州とコロンビア特別地区(DC)からの死亡証明書情報を基礎とした。人口学的情報(例えば人種・民族性、性、年令)と死亡証明書に記載された死亡場所は、葬儀屋、あるいは家族によって提供された。搬送前に脳卒中によって死亡した例で最も高率なものは、脳血管疾病(72.1%)あるいは脳血管性状態(69.5%)の後遺症で死亡した患者の中に見られた。以下、詳細不明の脳卒中(54.5%)、脳梗塞(53.2%)、出血性発作(14.2%)と続いた。出血性脳卒中で死亡した人は救急科(5.9%)、病院(79.6%)での死亡が最も高率であった。米国年令調整脳卒中死亡率は1999年には100,000人につき61.6であったが、2002年には100,000人につき56.2へと着実に減少した。
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