ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)Fusaium角膜炎-多くの州、2006年
2006/04/14Vol. 55 / No. 14
MMWR55(14):400-401
Fusarium Keratitis - Multiple States, 2006
2006年3月8日、CDCはニュージャージー州の眼科医より過去3ヶ月間に発症したコンタクトレンズ関連Fusaium角膜炎3例の報告を受けた。最近Fusaium角膜炎の増加が報告されていることから、この報告ではアメリカにおけるFusaium角膜炎に対する現在までの公衆衛生的対応を報告し、コンタクトレンズ使用者に対する重要な予防メッセージを紹介する。細菌性角膜炎の危険因子としては外傷や慢性眼表面疾患、免疫不全状態などがあり、まれにコンタクトレンズ使用者でも発症がみられる。アメリカでは約3,000万人がソフトコンタクトレンズを使用しており、細菌性角膜炎の年間発症率はソフトコンタクトレンズ使用者1万人あたり4-21例と推定されている。2006年4月9日現在、アメリカ全体でFusaium角膜炎疑い109例が調査されている。このうち完全なデータが得られた30例は年齢中央値が48歳(13-83歳)、21例(70%)が女性、発症日は2005年6月15日-2006年3月18日であり、28例(93%)はソフトコンタクトレンズ使用者であった。レンズ使用者のうち9例はレンズを一晩中装着しており、これは細菌性角膜炎の危険因子として知られている。8例は角膜移植が必要であった。26例は発症前の1ヶ月間に使用していたコンタクトレンズ用溶液や容器を覚えており、現在それら製品の汚染について検査中である。コンタクトレンズに関連する細菌性角膜炎のリスクは、コンタクトレンズの安全な取り扱い・保管・洗浄によって低下する。コンタクトレンズを取り扱う前には手を石鹸と水で洗って乾燥させ、レンズの装着は眼科医などの処方どおりに行うべきである。また医師はコンタクトレンズ使用者における角膜炎の徴候や症状を評価し、疑い例については治療開始前に培養検査用の検体を採取する必要がある。Fusaium角膜炎症例は、州や地域の保健局またはCDCに報告しなければならない。
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