ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)ハリケーンカトリーナ後の結核制御活動-ルイジアナ州・・・
2006/03/31Vol. 55 / No. 12
MMWR55(12):332-335
Tuberculosis Control Activities After Hurricane Katrina - New Orleans, Louisiana, 2005
この報告では2005年8月29日のハリケーンカトリーナ上陸後の結核(TB)制御活動に関する以前の情報を更新し、ハリケーン上陸時にニューオーリンズで治療を受けていたTB症例と、他地域へ避難後にTBと診断された症例に関する調査結果(2005年12月31日現在)の概要を紹介する。ハリケーンカトリーナ上陸時には、ルイジアナ州ニューオーリンズ地域住民130例がTBの治療中であったことがわかっていた。TBの標準的な治療と治癒には直接観察治療(DOT)下で最低6ヶ月間の多剤投与を要する。しかしニューオーリンズのLouisiana TB Control Program(LATB)本部はハリケーンカトリーナ襲来により建物が浸水したため転居することとなり、さらに電話やファックスなどの通常のコミュニケーション手段もマヒしていた。そのような状況下でTB治療を確実に持続させるため、LATBスタッフは最新のDOT実施患者リストを入手し、これら患者のハリケーン後の所在および状況についての調査を開始した。その結果10月13日までに、ニューオーリンズ地域で治療中であったTB患者130例全ての所在を確認し、必要な患者には治療を再開した。このうち68例(52%)はルイジアナ州に留まっていたが、39例(30%)はテキサス州に、残り23例(18%)は他の14州に避難していた。他州へ避難した患者に関しては、患者がその管轄地域に居住している間その州の保健局に管理を引き受けてもらった。ハリケーン前に肺TBと診断されたが治療を受けていなかった2例に対してそれぞれアーカンソー州とコロラド州でDOTが開始された。さらに12月31日現在、新たに4例が避難先のカリフォルニア州、コネチカット州、ペンシルバニア州およびテキサス州でTBと診断され治療を開始していたことが明らかになっている。
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