ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)低体温症関連死-アメリカ、1999~2002年およ・・・
2006/03/17Vol. 55 / No. 10
MMWR55(10): 282-284
Hypothermia-Related Deaths - United States, 1999-2002 and 2005
低体温症(中心部体温が35℃未満)は予防可能である。低温への過度の曝露は致死的な中枢神経系抑制、不整脈、および腎不全を誘発する可能性がある。高齢者、慢性疾患患者、薬物乱用者、ホームレスは低体温症関連死のリスクが高い。この報告では2005年に発生した低体温症による死亡3例[ワイオミング州の44歳男性(剖検でコカインとカンナビノイドを血中に認めた)、ニューメキシコ州の59歳女性(糖尿病と慢性アルコール依存症の既往)、アラスカ州の59歳男性]とCDCの低体温症関連死に関する1999-2002年のデータを紹介し、低体温症の疫学、予防法などについて述べる。アメリカにおける1999-2002年の低体温症関連死は4,607例であった。原死因は2,622例が過度の寒冷(自然環境)への曝露、1,985例が寒冷曝露以外(転落やアテローム性心血管疾患、溺死)であった。この期間中、低体温症による死亡例の49%は65歳以上、67%は男性、22%は既婚者であり、83%が10月-3月に死亡していた。年間発生率(10万人あたり)はアラスカ州(4.64)、モンタナ州(1.58)、ワイオミング州(1.57)、およびニューメキシコ州(1.30)で高かった。23%は自宅で低体温症を発症していた。低体温症は防寒着の着用、アルコールや気分や認識を変動させる薬剤の摂取回避、低体温症の徴候や症状の認識などによってそのリスクを低下させることが可能である。低体温症の発生を減少させるためには、過度の寒冷への曝露リスクの高い集団をターゲットとした公衆衛生的戦略をたてるべきである。
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