ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)ハリケーンカトリーナ避難住民における疾患サーベイラ・・・
2006/03/10Vol. 55 / No. 9
MMWR55(9):244-247
Illness Surveillance and Rapid Needs Assessment Among Hurricane Katrina Evacuees - Colorado, September 1-23, 2005
2005年8月29日のハリケーンカトリーナ襲来後、約20万人の住民が国内18州への避難を余儀なくされている。コロラド州はデンバーの元ローリー空軍基地に、9月4日、最初の避難民が到着し、その後4週間の間に3,600名(平均400名/日)の避難民が移住し、コロラドスプリングには約2,000名、州全体では約6,000名の避難民を受け入れた。Tri-County Health Department(TCHD)は9月4日の週にローリーの医療クリニックで、避難民に対する症状サーベイランスを開始した。また、Colorado Department of Public Health and Environment(CDPHE)は州全体の救急外来において、避難民を対象とした疾患サーベイランスを開始した。ローリーでは9月7-21日の間に509例が受診、嘔吐/下痢:10例、急性の咳/発熱:10例、創傷感染症/ 蜂巣炎:15例、精神的疾患:17例が診断された。また、州全体では9月1-23日の間に124例(女性74例、年齢別では19歳以下:12例、20-39歳:34例、40-64歳:46例、65歳以上:32例)が救急外来を受診、受診理由は痛み/頭痛:20.1%、その他(めまい、アレルギー、咽頭痛など):15.3%、薬剤レフィル:12.9%、慢性疾患:10.5%、呼吸器疾患:10.5%であった。入院は28例(22.5%)、1例が肺炎による入院を拒否し突然死した。また、TCHDによるローリーへの避難民の世帯主(106名、非ラテン系黒人:55%、非ラテン系白人:36%、ラテン系白人:6%)に対するニーズに関する調査(9月4-9日)では、急性疾患として高山病(脱水症状、立ちくらみ、呼吸障害)、慢性疾患として高血圧(28.4%)、うつ病や他の精神疾患(23.2%)、喘息/慢性肺疾患(21.1%)、循環器系疾患(17.9%)、糖尿病(13.7%)が多く認められ、60.2%が処方薬が必要な家族がいると回答した。また、長期的には医療サービス、健康保険、住宅供給、衣類(特に冬服)などが多く求められた。
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