ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)ハリケーンカトリーナ後の疾患および負傷サーベイラン・・・
2006/03/10Vol. 55 / No. 9
MMWR55(9):231-234
Surveillance for Illness and Injury After Hurricane Katrina - Three Counties, Mississippi, September 5-October 11, 2005
2005年8月29日のハリケーンカトリーナによりミシシッピ州メキシコ湾沿岸の3郡(ハンコック、ハリソン、ジャクソン郡)では暴風および洪水により甚大な被害を受け、電力、通信ネットワーク、道路、下水設備、水処理プラントなどの公共的インフラは壊滅的な被害を受けた。病院、診療所、公衆衛生機関いずれも機能が麻痺し、Mississippi Department of Health(MDH)はCDCに救急外来(EDs)、連邦災害医療援助隊(DMAT)活動地および外来受診施設における活動サーベイランスを要請し、9月4日、CDCスタッフ17名のチームによるサーベイランスが開始された。データは全15施設において、9月5-11日および9月12日-10月11日の2期間に分けて収集された。その結果、9月5-11日における総受診者は11,424例[1,632例/日、女性5,614/10,999例(51.0%)]であり、入院例は376/10,047例(3.7%)、死亡例は5例(0.05%)であった。また、受診理由は6,550/11,424例(57.3%)が疾患(うち1,394例は薬剤再処方のみ)、4,391例(38.4%)が負傷(うち1,324例は破傷風予防接種のみ)であり、疾患は消化器系疾患、呼吸器系急性疾患、皮膚感染/発疹、負傷は裂傷、挫傷/捻挫が多く、一酸化炭素中毒は5例(いずれも非致死的)であった。9月12日-10月11日における総受診者は27,135例(平均904例/日)であり、うち5歳未満の小児は1,196例(4.4%)であった。負傷による受診者が5,907例[21.8%、重症497(8.4%)、軽傷5,410(91.6%)]と最も多く、疾患による受診者は皮膚/創傷感染症:1,858例(6.8%)、上気道感染症:1,769例(6.5%)、発疹および虫刺/虫咬:1,212例(4.5%)、下気道感染症:761例(2.8%)、消化器系では悪心/嘔吐:743例(2.7%)、水様性下痢:288例(1.1%)、出血性下痢:16例(0.1%)、また、精神疾患は675例(2.5%)であり、自殺者は43例と報告されている。
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