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MMWR抄訳

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2006/02/17Vol. 55 / No. 6

MMWR55(6):145-150
Resurgence of Wild Poliovirus Type 1 Transmission and Consequences of Importation - 21 Countries, 2002-2005

野生型ポリオウイルス1型伝播の再燃と輸入の影響-21ヶ国、2002~2005年

世界的なポリオ根絶活動により、ポリオを風土病とする国は1988年の125ヶ国から2003年には6ヶ国(アフガニスタン、エジプト、インド、ニジェール、ナイジェリア、パキスタン)へと減少した。しかし2002-2005年、以前はポリオ根絶国であった21ヶ国でこれらポリオを風土病とする国からの野生型ポリオウイルス(WPV)1型の輸入が確認された。この報告では、2002-2005年のポリオ根絶国へのWPV輸入および2006年1月24日現在のこれら国々におけるWPV伝播状況と、ポリオ根絶国でのウイルス輸入対策を紹介する。これら21ヶ国では、18ヶ国がナイジェリアから、3ヶ国がインドからWPV1型が輸入された。インドから輸入されたWPV1型によるポリオ発症は15例であったが、ナイジェリアから輸入されたWPV1型によって4ヶ国(インドネシア、ソマリア、スーダン、イエメン)で100例以上というポリオのアウトブレイクが発生した。21ヶ国中8ヶ国では輸入WPVの持続的伝播は起きなかったが、13ヶ国では6ヶ月以上アウトブレイクが持続した。WHO/UNICEFによると持続的伝播が起きなかった8ヶ国の2003年ポリオワクチン接種率(生後12ヶ月までに経口ポリオワクチンの3回接種)は83%、持続的伝播が発生した13ヶ国の接種率は52%であった。これら21ヶ国において、最初の症例の麻痺発現からWPVの検査確認までの期間は24-123日間であり、検査確認から追加予防接種活動(SIA)実施までの期間は7-102日間であった。国際的なポリオ根絶の努力により、2002年以降、ソマリアを除きWPV伝播の遮断あるいはかなり減少したが、6ヶ国(アンゴラ、エチオピア、インドネシア、ソマリア、イエメン、ネパール)では最近6ヶ月間に伝播が確認されている。世界規模でのポリオ流行再燃を防ぐためには政策面・財政面での持続的支援が重要である。

References

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