ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)HIV/AIDS診断の人種/民族間格差-33州、2・・・
2006/02/10Vol. 55 / No. 5
MMWR55(5):121-125
Racial/Ethnic Disparities in Diagnoses of HIV/AIDS - 33 States, 2001-2004
アメリカにおけるHIV感染者数は2003年には約120万人と推定され、うち47%を非ラテン系黒人が占めている。今回、CDCにより2001-2004年(33州)のHIV/AIDS症例の人種/民族間格差についてまとめられた。HIV/AIDSはAIDS発症/非発症HIV感染例とし、人口10万人あたりの診断数(/年)、推定年間変化率(estimated annual percentage change:EAPC)および感染経路に関する調査結果を示す。HIV/AIDSは推定157,252例であり、人種/民族別では33州の人口の13%にあたる非ラテン系黒人が、診断されたHIV/AIDSの大半を占めていた[80,187例、男性:49,704/112,106(44%)、女性:30,483/45,146(68%)]。感染経路は黒人男性の場合、同性間性行為(MSM):36%、静注ドラッグ(IDU):54%、MSMDU:39%、ハイリスク異性間性行為(HIV/AIDS感染者、あるいはMSM、IDU等のリスク因子を持つ者との性行為):66%、黒人女性ではハイリスク異性間性行為:70%、IDU:60%であった。男性の場合、MSMは非ラテン系黒人が人口10万人あたり69.0と最も高く、白人:13.9、ラテン系:37.8、アジア/太平洋諸国(A/PIs):8.2、アメリカンインディアン/アラスカ原住民(AI/ANs):12.1、IDUは黒人:26.9、白人:1.7、ラテン系:12.0、A/PIs:1.6、AI/ANs:2.7、ハイリスク異性間性行為は黒人:35.5、白人:1.1、ラテン系:10.9、A/PIs:2.3、AI/ANs:2.4といずれも黒人が最も多く、女性ではIDUが黒人:14.2、白人:1.0、ラテン系:4.8、A/PIs:0.6、AI/ANs:2.2、ハイリスク異性間性行為が黒人:58.3、白人:2.2、ラテン系:15.0、A/PIs:2.8、AI/ANs:5.3であった。2001-2004年におけるEAPCは、男性では黒人:-4.4、白人:1.4、ラテン系:-4.7、A/PIs:8.1、AI/ANs:2.4、女性では黒人:-6.8、白人:-2.1、ラテン系:-13.0、A/PIs:14.3、AI/ANs:4.8であった。2004年における人種/民族別診断数(/10万人)は男性では黒人が131.6と最も高く、白人の約7.0倍(18.7)、ラテン系の約2.2倍(60.2)、A/PIsの約9.5倍(13.9)、AI/ANsの約6.3倍(20.8)であり、女性でも黒人は67.0と白人の約20.9倍(3.2)、ラテン系の約4.1倍(16.3)、A/PIsの約16.3倍(4.1)、AI/ANsの約8.7倍(7.7)であった。地域別では南部および北東部にて黒人が大多数を占めていた[それぞれ47,497(54%)、23,674(53%)]。2005年、CDCはAfrican American Working Groupを設立し、黒人に対するHIV/AIDSおよび性感染症(STD)予防を目的に包括的な活動計画を開始している。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.