ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)病院と救急指定施設におけるハリケーンカトリーナ・リ・・・
2006/01/20Vol. 55 / No. 2
MMWR55(2):35-38
Injury and Illness Surveillance in Hospitals and Acute-Care Facilities After Hurricanes Katrina and Rita - New Orleans Area, Louisiana, September 25-October 15, 2005
ハリケーンカトリーナへの対応として、CDCとLouisiana Department of Health and Hospitals(LDHH)は2005年9月9日にニューオーリンズ地域の病院および他の救急指定施設を対象とし負傷と疾患をモニタリングするサーベイランスを開始した。このサーベイランスシステムはハリケーンリタ対策の強制避難のため9月20日に一旦中止されたが、9月24日に再開された。9月30日にはオルレアン地区で避難所からの帰宅が開始された。以前ハリケーンカトリーナ後(9月8-25日)に実施された負傷および疾患サーベイランスの結果を報告したが、この報告ではハリケーンリタ直後および避難所から住民が戻ってきた時期(9月25日-10月15日)のサーベイランス結果を紹介する。9月25日-10月15日にはニューオーリンズの8つの病院と19の救急指定クリニックがサーベイランスに参加した。全体で17,446例のデータを記載した症例報告用紙が提出され、このうち8,997例(51.6%)は疾患関連、4,579例(26.2%)は負傷関連であった。疾患および負傷のために受診した13,576例中1,235例(9.1%)は救援関係者、5,437例(40.1%)は救援関係者でない住民であった。救援関係者は住民に比べ急性気道疾患(それぞれ25.5%、14.8%)と切り傷や熱傷といった不慮の負傷(62.7%、51.9%)が多かったが、転落(12.0%、25.0%)や自動車事故(3.8%、9.0%)は少なかった。疾患および負傷の発生頻度は今回の調査(ハリケーンリタ後)と以前の調査(ハリケーンカトリーナ直後)で同様であった。しかし疾患カテゴリーの分布には違いがみられ、今回の調査では以前の調査に比べ皮膚・創傷感染症(それぞれ9.8%、15.4%)や暑さ関連疾患(2.6%、5.0%)が少なかった。
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