ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)最新情報:インフルエンザの動向-アメリカ,2005・・・
2006/01/06Vol. 54 / No. 51& 52
MMWR54(51&52):1305-1316
Update: Influenza Activity - United States, December 18-24, 2005
2005年12月18日-24日には4州が広範囲、4州が地域的、5州が局所的、31州が散発的なインフルエンザの動向を報告した。この期間中、検査検体のインフルエンザウイルス陽性率はアメリカ全体で増加した。山間部と太平洋沿岸部で報告された陽性検体数は2005年10月2日以降最多であり(それぞれ309、171検体)、2005-06インフルエンザシーズン中に報告された陽性検体のそれぞれ44.8%、24.8%を占めた。この期間中、アメリカのWHO協力研究室とNational Respiratory and Enteric Virus Surveillance System(NREVSS)研究室は1,147検体についてインフルエンザウイルス検査を行い、そのうち155検体(13.5%)が陽性であった。155株中94株はインフルエンザA(H3N2)型、60株は他のインフルエンザA型、1株はインフルエンザB型であった。2005年10月2日以降に検査された27,694検体中690検体(2.5%)が陽性であり、このうち655株(94.9%)はインフルエンザA型、35株(5.1%)はインフルエンザB型であった。またサブタイプを検討したA型431株中427株(99.1%)はA(H3N2)型、4株(0.9%)はA(H1N1)型であった。この期間中(12月18日-24日)、肺炎およびインフルエンザ(P&I)による死亡者は122 Cities Mortality Reporting Systemに報告された全死亡者の7.0%を占めたが、その割合は流行閾値(7.8%)以下であった。一方、インフルエンザ様疾患(ILI)による受診率は3.1%であり、全国的基準値(非インフルエンザ週間中のILI関連受診率の平均値)の2.2%を超えていた。18歳未満の米国住民におけるインフルエンザ関連死は10月2日-12月24日に5例報告された(2004-05インフルエンザシーズン中の死亡者数:2例)。Emerging Infections Programによると、10月1日-12月10日の4歳以下、5-17歳の小児におけるインフルエンザ関連入院率(予備調査)はそれぞれ0.07、0/1万人であった。またNew Vaccine Surveillance Networkによると、10月30日-12月10日に4歳以下の小児における検査確認インフルエンザ関連入院の報告はなかった。鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに関してはアメリカではヒト感染例は確認されていないが、WHOには2003年12月-2005年12月30日に検査確認ヒト感染例が142例報告され、このうち74例(52%)が死亡した。これら全例がアジア5ヶ国(カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ベトナム)からの報告であった。
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