ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)百日咳-アメリカ、2001~2003年
2005/12/23Vol. 54 / No. 50
MMWR54(50):1283-1286
Pertussis - United States, 2001-2003
アメリカでは1940年代初期以降、百日咳による死亡者数は予防接種により90%以上低下しており、1994年以降の小児における3回以上の予防接種率は90%を越えている。しかし、症例数は1976年の最低値(1,010例)に比べ、2003年には11,647例と増加しており、特に思春期年齢層に多発していることから、近年、FDAにより思春期および成人に対する破傷風、ジフテリアと百日咳の混合ワクチン(Tdap)の追加接種が行われている。2005年6月30日にはAdvisory Committee on Immunization Practices(ACIP)が11-18歳に対し、Tdap接種を推奨している。今回、CDCは2001-2003年におけるNational Notifiable Diseases Surveillance System(NNDSS)およびSupplementary Pertussis Surveillance System(SPSS)データから、百日咳症例に関する調査を行った。その結果、NNDSSには計28,998例(2001年:7,580、2002年:9,771、2003年:11,647例、うち確診例69%、男13,378女15,620)が報告され、平均年間発症率は人口10万人あたり3.3(2001年:2.7、2002年:3.4、2003年:4.0)であった。年齢別では1歳未満:6,608(23%、うち6ヶ月未満:5,872例)、1-4歳:3,353(12%)、5-9歳:2,553(9%)、10-19歳:9,609(33%)、20歳以上:6,800例(23%)であり、年齢別年間平均発症率は1歳未満:55.2(6ヶ月未満:98.2、6-11ヶ月:12.3)、1-4歳:7.2、5-9歳:4.3、10-19歳:7.7、20歳以上:1.1であり、10-19歳では2001年:5.5、2002年:6.7、2003年:10.9と増加していた。人種の明らかな24,024例(83%)では、白人:21,597(90%)、黒人:1,621(7%)、アメリカインディアン/アラスカ原住民:288(1%)、アジア/太平洋諸国:337(1%)、その他:181(1%)であり、10-19歳の症例では95%(7,549/7,991例)が白人であった。また、10-19歳症例では116/8,286例(1%)が入院し、148/7,560例(2%)がX線所見により肺炎が確認され、20/8,543例(0.2%)はてんかん症例であり、6ヶ月未満の症例では入院例:3,255/4,748(69%)、肺炎:532/4,096(13%)、てんかん:79/4,802(2%)であった。脳症を来した症例は全体で33例、死亡例は56例、うち91%(51例)は6ヶ月未満、75%(42例)は2ヶ月未満であった。また、10-19歳の確診例[6,090(63%)]における確診法に関する調査では、疫学的診断:1,570(26%)、培養検査:1,356(22%)、PCR法:1,562(26%)、マサチューセッツ血清検査:1,511(25%)であった。
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