ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)最新情報:インフルエンザの動向-アメリカ,2005・・・
2005/12/16Vol. 54 / No. 49
MMWR54(49):1256-1259
Update: Influenza Activity - United States, October 2- December 3, 2005
この報告では、アメリカにおける2005-06インフルエンザサーベイランスシーズン開始後のインフルエンザ流行の概要を紹介し、以前の概要を更新する。この期間中、アメリカのWHO協力研究室とNational Respiratory and Enteric Virus Surveillance System(NREVSS)研究室は気道検体20,336検体についてインフルエンザウイルスの検査を行い、そのうち173検体(0.9%)が陽性であった。各週の検査検体陽性率は0.4%-1.4%であった。10月2日以降、インフルエンザウイルスは30州から報告された。同定されたインフルエンザウイルス173株中151株(87.3%)はインフルエンザA型、22株(12.7%)はインフルエンザB型であった。またA型151株のうち78株(51.7%)でサブタイプが判明し、76株(97.4%)はA(H3N2)型、2株(2.6%)はA(H1N1)型であった。さらに16株について抗原解析を行った。A(H3N2)型14株は2005-06インフルエンザワクチンの成分であるA/California/07/2004であり、 B型2株中1株はB/Victoria系、1株はB/Yamagata系(B/Florida/07/2004様)であった。分離されたB/Florida/07/2004様ウイルスは2005-06インフルエンザワクチンの成分として推奨されているB/Shanghai/361/2002のマイナーな抗原変異株である。カリフォルニア州では2004-05と2005-06シーズンに小児各1例のインフルエンザ関連死が報告された。現在のインフルエンザサーベイランスシーズン中に122 Cities Mortality Reporting Systemに報告された全死亡者における肺炎およびインフルエンザ(P&I)による死亡率は5.7-6.7%であり、週の流行閾値以下であった。またインフルエンザ様疾患(ILI)による週単位の受診率は12月3日(最終日)の週で1.6%であり、全国的基準値(非インフルエンザ週間中のILI関連受診率の平均値)の2.2%以下であった。この期間中、広範囲あるいは地域的なインフルエンザの流行が報告された州はなく、12月3日にネブラスカ州が局所的活性を報告したのみである。Emerging Infections Program(EIP)の調査によると、2005年10月1日-11月26日の0-4歳、5-17歳の小児におけるインフルエンザ関連入院率(予備調査)はそれぞれ0.06、0/1万人である。一方、New Vaccine Surveillance Network(NVSN)の調査によると、10月30日-11月26日に0-4歳の小児における検査確認インフルエンザ関連入院の報告はない。鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスについては、WHOには2004年1月-2005年12月9日に検査確認ヒト感染例が137例報告され、このうち70例(51%)が死亡しているが、アメリカではヒト感染例は確認されていない。10月2日-12月3日、アメリカにおけるインフルエンザの流行は低レベルであった。現在CDCは旅行者などにおける鳥インフルエンザA(H5N1)感染疑い例のサーベイランス強化を推奨している。
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