HIV/AIDS診断の傾向－33州,2001～2004年

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MMWR抄訳

2005/11/18Vol. 54 / No. 45

MMWR54(45):1149－1153
Trends in HIV/AIDS Diagnoses - 33 States, 2001-2004

2003年の米国内におけるHIV感染者数は約100万人と推定されている。1996年以降高度活性抗レトロウイルス療法（HAART）による治療の進歩の結果、HIV感染者の生存期間は以前より長くなりAIDSへの進行例も減少した。そのため、CDCは全州および準州にHIV感染者の報告システムとして氏名ベースサーベイランスシステムを採用するよう勧告した。この報告では、2001－2004年に診断され同システムにより33の州および地域の健康局に報告されたHIV感染者の特徴を紹介する。2001－2004年には33州で約157,252例がHIV/AIDSと診断されCDCに報告された。このうち112,106例（71%）は男性、45,146例（29%）は女性であり、80,187例（51%）は黒人、45,479例（29%）は白人、28,673例（18%）はラテンアメリカ系、1,340例（1%）はアジア/太平洋諸島系、766例(＜1%)はアメリカインディアン/アラスカ原住民であった。HIV感染経路としては、男性は男性との性的接触（61%）、女性はHIV/AIDSハイリスクの異性との性的接触（76%）が最も多かった。感染経路に関しては人種/民族により相違がみられ、黒人男性では男性との性的接触が49%と最も多いが、25%はハイリスクの異性との性的接触を通して感染していた。HIV/AIDS診断者数は2001年の41,207例から2004年には38,685例に減少した。しかし男性同性愛者（MSM）におけるHIV/AIDS診断者数は2001年の16,609例から2004年には18,196例に増加し、特に2003年から2004年にかけての増加は有意（8%）であった。注射薬使用者（IDU）におけるHIV/AIDS診断者数は有意に減少した（年平均減少率:9.1%）。全体としてHIV/AIDS診断者の割合（10万人あたり）は2001年（22.8）から2004年（20.7）までに有意な変化はみられなかったが、黒人では有意な減少（2001年:88.7、2004年:76.3、年平均減少率:5.0%）、アジア/太平洋諸島系では有意な増加（2001年:5.6、2004年:7.2、年平均増加率9.0%）がみられた。年間HIV/AIDS診断率は黒人、ラテンアメリカ系、アメリカインディアン/アラスカ原住民、白人、アジア/太平洋諸島系の順に高かった。非ラテンアメリカ系黒人におけるHIV/AIDS診断者の割合は他の人種/民族に比べ依然として著明に高い。これら集団における新たなHIV感染者を減少させるためには、HIVに関する知識と診療および予防サービスへの利用の改善が重要である。

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