ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)Vapotherm酸素供給装置に関連したRalst・・・
2005/10/21Vol. 54 / No. 41
MMWR54(41):1052-1053
Ralstonia Associated with Vapotherm Oxygen Delivery Device - United States, 2005
2005年8月、ペンシルベニア州の健康管理施設はPhiladelphia Department of HealthとCDCにRalstonia属感染症6例(生後21日-8歳)の発生を報告した。臨床検査と疫学調査の予備的結果より、血液および気道検体より検出された微生物の感染に関連した危険因子としてVapotherm 2000i酸素供給装置が同定された。この報告では、現在行われている調査のこれまでの結果と病院内でのRalstonia属のさらなる感染拡大を予防するための方策を紹介する。Vapotherm装置は鼻カニューレ経由で高濃度の医療用ガスを供給する装置である。呼吸ガスは別の水室で加温・加湿された後、患者に供給される。本装置では再利用可能な0.01-μカートリッジフィルターの使用により細菌性微生物の通過を防いでいる。小児および新生児を対象としたe-mailリストサーブによるサーベイランスの結果、7州10ヶ所の病院で臨床検体やVapotherm装置からRalstonia属が回収されたことが明らかになった。また、2005年1月-9月には5州5ヶ所の病院において気道あるいは血液培養の結果がRalstonia陽性であった小児患者18例が報告された。これら患者のうち17例は培養検体採取前にVapotherm装置を使用していた。Vapotherm装置から細菌が検出された4病院は、製造会社が以前推奨していたプロトコールに準じてフィルターカートリッジを消毒した後に再利用していた。Ralstoniaの感染源は確認されていないが、Vapotherm社は新たな感染制御ガイドラインを作成した。このガイドラインでは、患者の使用後には常に(1人の患者が使用する場合には30日間隔で)装置の再処理を行うこと、フィルターカートリッジは患者ごとに交換するか新たな高レベルの消毒プロトコールにて再処理すること、フィルターカートリッジの最長耐用累積日数は60日であること、供給循環内では滅菌水を使用することを推奨している。CDCはVapotherm装置の使用者に製造会社の勧告を遵守するよう勧めている。
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