ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)ハリケーンカトリーナの避難者におけるノロウイルス感・・・
2005/10/14Vol. 54 / No. 40
MMWR54(40):1016-1018
Norovirus Outbreak Among Evacuees from Hurricane Katrina - Houston, Texas, September 2005
2005年8月29日のハリケーンカトリーナ上陸後1週間に約24万人がルイジアナ州からテキサス州ヒューストンに避難した。ヒューストンにあるスポーツ施設やコンベンション施設などのReliant Park(Reliant Astrodome、Reliant Center、Reliant Arena)には約24,000人が収容され、現金や食料、飲料水、ベッド、トイレ、シャワーなどが供給されている。9月2日、Harris County Public Health and Environmental Services(HCPHES)は下痢や嘔吐などの急性胃腸炎の症状を示す症例が多いことから、CDC、Harris County Hospital District(HCHD)などとともに調査を開始した。9月2-12日、Park内の診療所を受診した患者は約6,500例、うち1,169例(18%)が急性胃腸炎の症状を来しており、その約3/4は成人(18歳以上)であった。発症のピークは5日間(221例)であり、その後漸減した。症状は511例(44%)が下痢のみ、342例(29%)が嘔吐、316例(27%)は下痢と嘔吐の両方であった。この間の急性胃腸炎による受診率は成人で約14%、小児は約28%であり、RT-PCRによる44症例の便検体分析では、22例(50%)にてノロウイルスが検出された。発生後、感染拡大防止のため脱水症状を示す症例を再水和の上、症状の消失から48時間まで隔離、さらに手の除菌用アルコール消毒ゲルを配布し、診療所内には携帯用流し台を設置した。発生はその後1週間以上持続したが、避難者がParkを立ち退く9月下旬には減少した。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.