ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)ダニによる掻痒性発疹の発生-カンザス州、2004年
2005/09/30Vol. 54 / No. 38
MMWR54(38):952-955
Outbreak of Pruritic Rashes Associated with Mites - Kansas, 2004
2004年8月末、Kansas Department of Health and Environment(KDHE)はCrawford County Health Department(CCHD)からカンザス州ピッツバーグの住民約300例が原因不明の掻痒症を来したとの報告を受けた。9月初めには隣接する郡(ミズーリ州、ネブラスカ州)においても同様の症例が発生し、CDCに援助が依頼された。症例はさらにオクラホマ、テキサス州に拡大した。Kansas State University(KSU)、Pittsburg State University(PSU)およびUniversity of Nebraskaの昆虫学者はpin oak tree(アメリカ柏)に生息するシラミダニによるものと仮定し、初回症例調査と皮膚科医の見解から、2004年8月1日~9月23日の間に発疹または3ヶ所以上の掻痒症、紅斑または丘疹の発現を認めた症例と定義し、Crawford County住民の再調査が行われた。この定義に合致した聞き取り調査回答者は187名中108名(58%、平均年齢:39.0歳、男性44名、女性64名)であった。結果、発症部位の明らかな100例では首:48例、腕:37例であり、38例(62%)の症例が1-7日以内に回復した。発熱や鼻水、喘鳴などの症状を伴った症例は20%以下であった。106例中44例(42%)が病巣部位を掻いたと回答し、105例(72%)がOTCまたは処方薬を使用していた。また、発疹と環境関連因子を検討した。33歳以下の都市部住民およびpin oak treeが多く生息する非都市部住民とのオッズ比を比較した。結果、都市部住民:4.9倍、非都市部住民:3.9倍であった。33歳以上では、いずれも1.6倍、1.3倍であった。
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