ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)民間の健康管理医療プランに登録された50~64歳の・・・
2005/09/23Vol. 54 / No. 37
MMWR54(37):921-923
Influenza Vaccination Coverage Among Persons Aged 50-64 Years Enrolled in Commercial Managed Health-Care Plans - United States, 2003-04 and 2004-05 Influenza Seasons
2004年秋における予想外のインフルエンザワクチン不足への対応として、CDCは指定された優先群(65歳以上、医療従事者、インフルエンザの合併症リスクの高い患者と接触する人々)へのワクチン供給を指導した。その結果、2004-05年インフルエンザシーズンにおけるインフルエンザワクチン接種率は優先群以外の成人では2003-04年シーズンに比べ半減したが、優先群成人では前シーズンとほぼ同レベルに達したことが明らかになった。これは、ワクチン供給が混乱している時期にインフルエンザによる合併症リスクの高い人々へのワクチン供給を指示した全国的な公衆衛生活動の成功を示唆した。2004-05年シーズンにおける50-64歳の成人のインフルエンザワクチン接種率を2004-03年シーズンと比較しこのグループにおけるワクチン不足の影響を調査するため、National Committee for Quality Assurance(NCQA)は民間の健康管理医療プラン登録者を対象とした全国調査であるConsumer Assessment of Health Plans(CAHPS)調査のデータを分析した。 調査団におけるワクチン接種率は、2003-04年の52.4%から2004-05年には28.1%と約46%低下した。年齢別接種率は両シーズンとも年齢に伴い増加し(2003-04年:50-54歳45.6%、55-59歳52.4%、60-64歳60.1%、2004-05年:それぞれ22.2%、26.5%、35.5%)、両シーズン間での接種率低下は50-54歳、55-59歳、60-64歳でそれぞれ51.3%、49.4%、40.9%であった。また男性は女性に比べ接種率が低く(2003-04年男性:50.0%、女性53.9%、2004-05年男性:25.4%、女性:30.1%)、接種率低下も大きかった(男性:49.2%、女性:44.2%)。自己報告された健康状態別の接種率は両シーズンとも健康状態最良群が不良群より低く(2003-04年:それぞれ47.9%、58.6%、2004-05年:23.2%、44.8%)、両シーズン間での低下率はそれぞれ51.6%、23.5%であった。 2004年秋のインフルエンザワクチン不足の影響として、インフルエンザによる合併症リスクの低いワクチン接種対象者に対するワクチン接種率が前シーズンよりかなり低下したことが明らかになった。しかし調査対象者のうち高齢者や健康状態不良者では接種率の低下がより小さく、よりリスクの高い者をターゲットとしたワクチン接種の努力が多少は成功したことが示唆された。待合室での簡単な健康状態に関する質問票への記入は、ワクチン不足時のハイリスク者の同定と優先群へのワクチン接種に有用と考えられた。
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