ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)州および地域疾病サーベイランスの改善の進展-アメリ・・・
2005/08/26Vol. 54 / No. 33
MMWR54(33):822-825
Progress in Improving State and Local Disease Surveillance - United States, 2000-2005
2000年9月、アメリカの各州は疾病サーベイランス用の統合電子システム導入のため連邦政府から資金提供を受けはじめた。この報告では、Public Health Information Network(PHIN)構想に含まれるサーベイランスおよびモニタリングシステム(National Electronic Disease Surveillance System:NEDSS)の構成成分である安全なインターネットベースデータ入力と自動electronic laboratory results(ELR)報告を利用した州および地域の疾病サーベイランスの改善状況の概要を示す。またNEDSSとPHINにより公衆衛生業務が改善したニュージャージー州、オクラホマ州、ペンシルベニア州の経験を紹介する。2005年4月現在、27州および2都市(ニューヨーク市、ロサンゼルス市)の健康局が少なくとも届出伝染病データについてインターネットベースシステムを利用して入力しており、残りの23州の健康局は同システム導入の準備中である。また26州の健康局はELRを通して検査結果を受け取っており、残りの24州はELRの利用準備段階にある。ニュージャージー州では2001年後期にNew Jersey Department of Health and Senior Services(NJDHSS)がインターネットベースのCommunicable Disease Reporting System(CDRS)を導入した。CDRS導入以降、届出伝染病の報告患者数は2002年の14,608例から2004年には2,9967例へと倍増し、NJDHSSスタッフが入力した患者の割合は2002年の67%(2001年の100%)から2004年には約16%へと低下した。CDRS導入前は届出伝染病患者のデータがNJDHSSのシステムに入力されるまでに発症から数ヶ月かかったが、導入後はその期間は2003年には28日間、2004年には平均3-4日に短縮された。オクラホマ州では2004年6月にインターネットベースの疾病サーベイランスおよび報告システム(Public Health Information and Disease Detection of Oklahoma)を導入した。2005年6月1日現在、感染制御専門家164名とオクラホマ州の全病院の検査士代表者210名、医師32名がこのシステムの使用者として登録されている。2004年6月-2005年5月、疫学者は届出伝染病の緊急報告111例について目標対応時間の15分以内に患者の調査を開始している。ペンシルベニア州では2003年1月にPennsylvania Department of Healthがインターネットベースの疾病報告システム(PA-NEDSS)を導入した。同システムには検査室・病院・医師によるオンライン報告、ELR、患者管理、分析能力が組み込まれている。2005年2月現在、公衆衛生スタッフメンバー549名、病院および診療所381ヶ所、研究室223ヶ所、医師564名がシステムに登録されている。PA-NEDSSを通して毎月約20,000件の報告があり、その67%はELR経由で受け取られている。
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